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「ふんどし医者」 [映画]

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〔1960年/日本〕


大井川の近くで、
医者をしている小山慶斎(森繁久彌)。
彼は、徳川家の御典医になれる
能力がありながら、
貧しい者たちのために、
この地に残って開業したのだ。


妻のいく(原節子)は、
慶斎によく仕えていたが、
半丁の勝負事が大好き。
そんないくを、
慶斎は心から愛している。


ある日、近所のチンピラ・半五郎(夏木陽介)が、
腹を刺され、
慶斎は、腎臓の片方を摘出するという
大手術を行う。


半五郎はそれをきっかけに心を入れ替え、
医者になる決意をし、
長崎に渡った。


8年後、立派な医者になり、
帰ってきた半五郎に慶斎は驚き・・・。





凄いな。
凄いものが色々詰まってる。
いい映画だ。


森繁久彌演じる慶斎という医者は、
大変な能力の持ち主でありながら、
大井川の近くで、
貧しい者たちのために、
安い治療費で診療をしてやっている。


そう聞くと、
まるで神様のような人だと思われそうだが、
それだけではない。


慶斎は、
長崎で最新の医学を学んで
帰ってきた半五郎の知識に、
激しい嫉妬心を燃やし、
自分の診断に異を唱えた半五郎の意見を
受け付けない。


能力もパーフェクト、
人間性もパーフェクトな人など、
いはしない。
どんな人間にでも、
嫉妬心はあるし、
それがコントロールできず、
表に出てしまう事もあるだろう。


そこをきちんと描いている、
この物語は面白い。
この映画に
深みを感じる一因だ。


それから、
森繁さんも凄いけど、
もっと凄いのが、
妻のいく役を演じた原節子さん。


はぁ。。。
もう溜息しか出てこない。
なんてなんてなんて素敵なの。
いくは貞淑な妻で、
夫に献身的に尽くしているのだけれど、
でも、博打が大好き(笑)。


賭場に夫を伴って行き、
賭けをし、
持ち金がなくなると、
夫の着物を脱がしたりしている(笑)。


私は賭け事をした事はないけれど、
自分を失わず、
ストレス解消として、
遊ぶのなら、
それはいい利用法かも、と思ったりもして。


半五郎の夏木陽介さんも、
彼の恋人の江利チエミさんも、
そして、
慶斎の親友役の山村聰さんも、
とにかくみんな、
凄くいい顔している。
いい映画だった。


評価 ★★★★☆

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