「娼年」 [映画]

〔2018年/日本〕
リョウ(松坂桃李)は、
一流大学の学生でありながら、
学校にはロクに行かず、
バーでバイトをするだけの、
無気力で覇気のない青年。
ある日、彼は、
客としてやって来た御堂静香から、
秘密クラブ「パッション」の一員となるための
試験を受けないか、と言われる。
その試験とは、
静香の娘と、静香が見ている前で性交し、
合否を決めるというもの。
静香は不合格の採点だったが、
娘がリョウを気に入ったため、
辛うじて合格となる。
男娼として働き始めたリョウは、
客である、女性たちから気に入られ、
「パッション」の中で、
VIP待遇に昇格してゆくが・・・。
公開前から、
主演の松坂桃李くんが、
全力で性行為の場面に臨んだと、
話題になっていた一作。
私は知らなかったけれど、
彼は舞台でも、
リョウ役を演じているという。
確かに、性交の場面が殆どで、
それも、激しい。
AVに近いものがある。
しかも、上手く撮っている。
ボカシが入るわけでもなく、
でも、肝心の箇所は見えないように。
と思っていたら、
監督は、「愛の渦」の三浦大輔さんなのね。
なんか、納得、というか。
↓
http://aomikamica.blog.so-net.ne.jp/2014-03-27
映画を観ながら、
男が女を金で買うのと、
女が男を金で買うのとでは、
もう全然、意味が違うんだなぁと、
あらためて思う。
男は、
女を買ったとしても、
性欲が満たされれば、
とりあえずスッキリ(?)して、
帰ってゆくって気がするんだけど、
(私のイメージか?(笑))
女は、やっぱり、
例え金で買った男だとしても、
ある程度、心を求めるというか、
自分語りをしたり、
相手の話を聞きたがったり、
そして、なぜ自分は男を買ったのか、という、
理由付けも必要なようで。
それはもう、
性差だから、仕方がない。
女というのは、
そういう風にできているんだと思う。
もちろん、例外もあろうけれど。
松坂君が、
同級生の女の子に、
「もし君が、男を金で買うとしたら」という質問をぶつけた時のやりとりが、
一般的な女の反応かなと思うし、
あの女の子より、
ずっと年上の私でも、
同じように答えたと思う。
それから、
多くの人は、
初めての性的体験
(ダイレクトな性交という意味でなく、性を初めて意識した体験)が、
後のその人の性的嗜好に
関係してくる場合が多いんじゃないかなって、
前からなんとなく思っていたのだけれど、
それを証明するような場面があって、
なんか、すごく納得だった。
原作は石田衣良さん。
今度読んでみたい。
評価 ★★★☆☆