「若くて、悪くて、凄いこいつら」 [映画]
〔1962年/日本〕
2人のボーイフレンド(高橋秀樹・和田浩治)とドライブ中、
貞操を奪われそうになった新子(和泉雅子)は逃げ出し、
通りかかった初老の男・佐倉(清水将夫)の
ベンツに乗せてもらう。
佐倉は、長年に渡る政財界の汚職事件を
詳細に記した「佐倉ノート」を持っている。
このノートが世に出たら、
大変な事になる。
しかし、孫娘・尚子に自殺された佐倉は、
ノートを焼き、
自分も死のうと考えている。
新子と佐倉が、
佐倉の別荘に着くと、
謎の人間から電話が入った。
尚子は生きている。
返してほしければ、
「佐倉ノート」を持ってこい、と・・・。
映画ってのは、
描き方で印象が変わってくるなぁというのが、
最初の感想。
主演の和泉雅子さんは、
冒頭、
車の中で、
男友達の和田浩治さんに車の中で凌辱されかかって、
めちゃくちゃ抵抗している。
これがシリアスドラマだったら、
シャレにならない嫌な場面だけど、
軽い雰囲気なので、
そう大事に感じない。
和泉さんと和田さんは、
その後、何事もなかったかのように、
接しているし。
ヤクザの描き方にしても、そう。
この手の映画のヤクザは、
いつもバカっぽく、
簡単にやられてしまう。
現実だったら、
たかが大学生が
太刀打ちする事はできないだろうし、
そもそも関わってはいけないと思う。
わたし的に、
めっちゃ受けたのは、
佐倉氏を狙う、殺し屋らしき男に、
高橋秀樹さんが名前を尋ねたところ、
返ってきた答えが、
「眠狂四郎」。
「眠狂四郎」て(笑)。
日活の映画だってのに、
ライバル会社・大映の、
大人気キャラの名前を言うなんて、
思いっ切り宣伝してあげちゃってるじゃん、って。
・・・と、ここまで書いて、
念の為、
調べてみたら、
あれー、
私の方が間違ってた。
市川雷蔵さんの当たり役である「眠狂四郎」は、
この映画より、あとに公開されている。
別に、雷蔵さんの映画の宣伝をしてあげてるわけじゃないんだ。
っていうか、本当の笑いどころが分かった。
この映画の原作は柴田錬三郎さんで、
「眠狂四郎」の原作も、同じ柴田錬三郎さん。
つまり、本の宣伝をしているという事なのね。
・・・と、さらに調べてみたら、
「眠狂四郎」って、1956年に東宝で、
鶴田浩二さんで映画化されているのね。
つまり、日活は、
大映ではなく、東宝の宣伝をしたという事なのか。
って、なんだかもう、こんがらがってきた(笑)。
っていうか、日活は以前に、
こういう事があって、めっちゃ受けたので、
↓
http://aomikamica.blog.so-net.ne.jp/2014-12-31
他の映画会社の宣伝を、
知らぬうちにしちゃっても、不思議はないと思って(笑)。
評価 ★★★☆☆