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「ラブレス」 [映画]

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〔2017年/ロシア〕


ロシアの夫婦・ボリスとジェーニャには、
離婚協議中。
どちらにも恋人がいて、
顔を合わせれば、
罵り合う日々。


夫婦の間には、
12歳の息子・アレクセイがいる。
2人は、
アレクセイを押し付け合うばかりで、
引き取ろうという気は、まるでない。


そんなある日、
ジェーニャは、
アレクセイの姿が見えない事に気付く。


探しても探しても、
アレクセイは見つからない。
アレクセイの失踪がきっかけとなり、
夫婦は、
2人の関係を見直すようになるが・・・。





夫婦が上手くいかなくなり、
別れ話が出る。
それはいい。


どちらか、もしくは両方に、
恋人ができる。
まぁ、人間だから、
そういう事もあるかもしれない。
勝手にしたらよろしい。


夫婦の問題は、どーでもいいけど、
この映画の子供の扱いには胸が痛くなる。


お願いだから、
嘘でもいいから、
子供にだけは、
「お前が世界で一番大切」と
言ってあげてほしい。
思わせてあげてほしい。


両親が罵り合い、
自分を押し付け合っているのを
聞いている息子は、
激しく泣いている。


こんな風に書くと、
声を上げて号泣しているかと
思われる方もおられると思うのですが、


そうではなく、
息子は、声を押し殺して、
でも、これ以上激しく泣くことはないだろうと
思われるくらい、
激しく泣いている。


ものすごい場面だ。
強烈な場面だ。
おそらく私は、
あの少年の様子を、
永遠に忘れられないと思う。


その後、
息子は失踪するわけだけど、


オチは書かないけど、
私はとても納得。
こういう終わりがあっていいし、
生きるって、
実際、映画のようにはならないし。


この映画の監督、
アンドレイ・ズビャギンツェフ(読みにくい(笑))の
作品は、
「父、帰る」の1本しか観た事がないので、
知ったような事は言えないけど、
ラストの解釈は、
観客に委ねるというのが、
作風なのかもしれない。


評価 ★★★☆☆

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