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「聖なる鹿殺し キリング・オブ・ア・セイクリッド・ディア」 [映画]

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〔2017年/イギリス〕


外科医のスティーブン(コリン・ファレル)は、
美しい妻・アナ(ニコール・キッドマン)と、
14歳の娘・キム、
8歳の息子・ボブと幸せに暮らしている。


スティーブンは、
以前、酒に酔った状態で手術をし、
患者を死なせてしまった過去がある。


その後ろめたい気持ちからか、
その時の患者の息子で16歳のマーティン(バリー・コーガン)と、
個人的付き合いをするようになる。


ある日、マーティンを家に招いたスティーブンだが、
その日を境に、奇妙な事が起こる。
ボブの足が、突然麻痺し、
歩けなくなってしまったのだ。


数日後、キムも同じ症状となる。
どんなに検査をしても原因が分からない・・・。





試写会で観た。


不気味、
とにかく不気味。
映画の最初から、
「何かが起こりそう」という
空気で満ちているし、
案の定、それは起こる。


この不気味さは、
バリー・コーガン演じるマーティンに因る所が大きい。
彼は、別に何をするわけでもない。
ただ、何かがおかしい。
彼は、人との距離感が掴めないといった風で、


突然スティーブンの病院に訪ねてきたり、
また、別の日には、
「10分後に待ってますから」みたいなことを、
断れない雰囲気で言ったりと、
大人しいのに、微妙に強引で、
どう対処していいのか分からない、
危うさがある。


スティーブンの家を、
外からずっと見ていたりもする。


そういうのって、
悪魔や、霊よりずっと怖い。
じわじわと締め付けられるような恐怖。
しかも、スティーブンには負い目があり、
強く出る事もできないし。


それから、マーティンの存在とは別に、
我が子が2人とも、
同じ症状で、
寝たきりになってしまった、
スティーブンとアンの気持ちに心が痛んだ。


姉弟が、同時に同じ症状になったら、
私だったら、まず、
何らかのウィルスの感染を疑うだろう。


そうでなかったら、
シックハウス症候群や公害などの環境問題、
それも違うなら、
遺伝性の病気か?
などなど、
あらゆる理由を模索し、
なんとか治してほしいと、
医師に縋り付くだろう。


結局、
マーティンが何らかの呪い(?)をかけた事が、
子供たちの病気の原因だと
分かってくるのだけれど、


どうやら、事態は、
子供のどちらかを殺さない限り、
収まらないと分かる。


無理だ。
子供たちのどちらかを選ぶなんて、
誰にだってできっこない。
そこで、スティーブンはある方法を考え出すのだけれど、
それ以上は書かない。


評価 ★★★☆☆

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