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「ゆれる人魚」 [映画]

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〔2015年/ポーランド〕


ポーランドの海岸に打ち上げられた、
人魚の姉妹。


ゴールデンとシルバーと名乗る2人は、
ワルシャワのナイトクラブで
デビューする。
水槽につかり、歌うその姿に、
人々は驚く。


シルバーは、
ナイトクラブのベースプレイヤーと恋に落ちる。
ゴールデンは、
町で男を襲い、
心臓を食いちぎる。


人魚は、
恋した男が別の女と結婚すると、
泡になってしまうという伝説があり・・・。





この映画の事を知った時から、
公開されたら、絶対観に行こうと決めていた作品。


人魚のお話とはいえ、
世間で知られている、
ディズニーの「リトル・マーメイド」のような、
可愛いものではなく、
もっとずっと毒々しい。


海から、
ナイトクラブに連れてこられた姉妹の人魚は、
普段は人間と同じように、
足がある。


姉妹と初対面した経営者が
「裸になれ」と命令し、
服を脱ぐ2人。
観ているこちらは一瞬、
「そ、そのポーズはマズいんじゃない?」と思うのだけれど、
心配することはない。
彼女らの股間には、
女性器もない、
肛門もない。


映画のセリフを借りるなら、
そう、まるで、
「バービー人形のよう」に。


そんな2人は、
足に水をかけられると、
足はなくなり、人魚になる。
ポスターでも分かるように、
下半身の魚になった質感がリアルで、
光る魚が苦手なかたは
直視できないかも。


人魚の片方、シルバーは恋をし、
めちゃくちゃ大胆な、
人生が変わってしまうような、
ある決断をする。
それもこれも、みんな彼のため。


好きな男が、
別の女と結婚すると、
男を殺さなければ、
泡になってしまうというのは、
人魚の物語の悲しいラストだけれど、


切ないな。
自分だったらどうするかな。


もし彼を殺して、
泡にならずに済んだとしても、
彼を失ったその後の人生を、
腑抜けのように暮らすのなら、
それは泡になったのと
大差ない気がする。


それなら、
自分が泡になって、
彼に幸せになってもらった方がいいかな。


この映画の場合、
なるほど、というラストがあるわけだけど。


評価 ★★★☆☆

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