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「5パーセントの奇跡 嘘から始まる素敵な人生」 [映画]

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〔2017年/ドイツ〕


スリランカ人の父と、
ドイツ人の母を持つサリー(コスティア・ウルマン)の夢は、
一流のホテルマンになる事。


成績優秀な彼は、前途有望だったが、
ある日、自分の視界が曇っている事に気付く。
医師の診察を受けると、
先天性の目の病気と診断され、
手術を受けるも、
視力の95%を失ってしまう。


しかし、夢を諦められないサリーは、
視力の事を隠して、
ミュンヘンの5つ星ホテルの
試験を受け、合格。
研修を受ける事になる。


同期の友人・マックスや、
親切なホテルの従業員たちに助けられながら、
各部署の研修をこなしてゆくサリー。


さらに、配送に訪れたシングルマザーのラウラと
恋に落ち・・・。





悪い話ではない。
一般の人の視力が100%とするなら、
たった5%の視力しかない若者・サリーが、
夢に向かって奮闘するという。


ただ、いくら何でも無理があるでしょ、って。
映画では、
サリーの目が、
どんな風に見えているかを、
時々、映し出すのだけれど、


彼の目に見えるものは、
もう殆ど、光だけで、
あとは、前を歩く人の輪郭さえ危うい感じ。
そのような状態で、
特にきめ細やかなサービスを要求される、
ホテルの仕事ができるとは、
到底思えなくて。


サリーは新人研修で、
ベッドメイキングから、
テーブルセットから、
厨房から、
バーテンダーから、
ホテルにおけるあらゆる仕事を勉強する。


そんな中、彼がピンチになった時は、
必ず、
事情を知っている友人のマックスが
助けてくれるのだけれど、
研修が終われば、
マックスとは別の部署に配属されるだろうし、
その時、どうするの?ってのも疑問だし。


で、仕事もそうなんだけど、
恋におちたラウラの、
5歳の息子を安易に預かってしまう場面は、
もっと駄目だと思う。


なにせ、子供を預かるというのは、
命を預かるという事。
5%しか視力のない人が、
してはいけない事だと思うのだけれど。


ラストも、
ちょっと、何というか、
「恩を仇で返す」みたいな感じなっちゃって、
なんだかなー、って。
おそらく、多くの観客は、
サリーがホテルの、
どの部署に配属されるか、
期待して観ていたんじゃないかしら。
たとえ5%しか見えていなくても、
それならそれで、
彼に相応しい場所を、
きっとホテルは用意してくれる、って。


サリー役のコスティア・ウルマンが
とってもチャーミングなだけに残念。
もう少し、設定を変えるか、
もしくは、
「5%」を、せめて「30%」くらいにして、
極度の近視程度だったら、
まだ納得がいったんだけどなぁ。


評価 ★★☆☆☆

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