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「祈りの幕が下りる時」 [映画]

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〔2018年/日本〕


葛飾区のアパートで、
絞殺された女・押谷道子の腐乱死体が発見される。
捜査の結果、
道子は滋賀県在住なことが分かる。


部屋の住人・越川睦夫が
行方不明になっており、
犯人と思われたが、
女との接点が見つからず、捜査は難航。


しかし、少しずつ、
細かい事が分かってくる。
道子は、
同級生で、今は舞台の演出をしている浅居博美(松嶋菜々子)に、
ある事を伝えに上京したらしい。


そんな中、
日本橋署の加賀恭一郎(阿部寛)は、
越川の部屋のカレンダーの、
各月に書き込まれた、
12の言葉を知り、
激しい衝撃を受ける・・・。





試写会で観た。


泣けた。
これは推理ものではあるけれど、
基本にあるのは、
親子の物語だ。


父と娘。
そして、
母と息子。


特に、父と娘の間には、
ある理由から、
鋼の絆がある。
誰も入る事のできない、
強い強い結びつきが。


そして、
そんな親子の情愛が、
究極の形で描かれる。
これこそが、親を思う気持ちなのか、
でも、もっと、
なんとかならなかったのか、と、
泣きながらスクリーンを見つめながらも、
考えずにはいられない。


幼い息子と離れ離れにならざるを得なかった母が、
あるきっかけで、
息子の現在の姿を知った場面も号泣。
大変に立派になった息子。
母は息子の成長過程に関わる事はできなかったけれど、
そんな風に育ってくれた事を、
どれほど誇らしく思っただろう。


事情を知らない人は、
この母を、
息子を捨てた、酷い女だと噂するだろう。
でも、本当は違う。
人にはそれぞれ、事情がある。
何も知らないのに、
表っつらの事象だけを見て、
人を批判してはいけないのだなぁと、
すぐにそれをしてしまいがちな自分も気を付けなければ、と
思わされる内容。


東野圭吾さんの原作は読んでいる。
とても面白い本だった。
原作も凄いけど、
あの内容を、
ここまできちんと映像化したのも凄い。
想像以上だった。


次から次へと新作を発表する東野さん。
東野さんの頭の中には、
どんだけ凄いアイデアが詰まっているのか。


そして、その新作をすぐに読みたくて、
図書館に予約を入れると、
世間は私なんかより、
ずっと情報キャッチが早いようで、
200人~300人待ちは当たり前。


じゃあ買えよ、って話だけど、
家になるべく物を置きたくないので、
極力物は買わないようにしている。
別に早さを競っているわけではないので、
いつも気長に順番を待っているのだけれど。


評価 ★★★★☆

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