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「千姫御殿」 [映画]

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〔1960年/日本〕


大阪落城の際、救い出された千姫(山本富士子)は、
吉田御殿に籠り、
遊興の限りを尽くしていた。


彼女が御殿に引き入れて、
関係した男は全て、
近所の沼に遺体として浮かんだ。


そんな吉田御殿に、
若侍・田原喜八郎(本郷功次郎)が
送り込まれた。
喜八郎が千姫の行状を探るうちに、
どうやら、千姫には、
何の非もないことが分かってくる。


では、千姫に関わる男を殺しているのは
一体誰なんだ・・・。





うん、なかなか面白い。
お話のテイストが、
どんどん変わってゆく。


最初は、女だてらに、
淫蕩の限りを尽くし、
「男狂い」と噂される
千姫の物語だと、
観ている誰もが思うのよ。


貞淑な役の多い、
山本富士子さんが、
凄い映画に出たもんだな、って。


でも、観ているうちに、あれ?と思うようになって、
そこからは、
サスペンスな流れに。


どうやら千姫は男狂いでも何でもない、
ちょっと高飛車なだけの姫だと分かり、
そうなると、
誰が何の理由で、千姫を陥れるために、
人を殺しているのか、って。
まぁ、その人物は、
映画を観ていれば、誰だかすぐ分かるようになっているのだけれど。


で、その犯人が片付いて、
次は恋愛物な方向へ。


本当は純情な千姫と、
本郷功次郎演じる若侍・喜八郎は、
本気で愛し合うようになるのだけれど、
喜八郎は、
自分が隠密な事を言い出せず、
苦しむ。


初めて愛を知った千姫と喜八郎が
可愛くて、幸せそうで、
二人で舞を舞う様子なども、
息もピッタリで素晴らしい。
ハッピーエンドになってほしいと
本気で思っちゃった。


中村玉緒さんが重要な役で出てくる。
若い頃の玉緒さんって、
本当に可愛い。
健気な女を演じていて、良かった。


それから、玉緒さんの実のお父さんの
中村鴈治郎も出演されている。
ちょっと残念だったのは、
徳川家康の役だったので、
飄々とした鴈治郎さんの
いつもの関西弁が聞けなかった事。
鴈治郎さんの関西弁が
私はとっても好きで。


評価 ★★★★☆

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