SSブログ

「深夜の市長」 [映画]

shinyanoshicho.jpg
〔1947年/日本〕


5年前の銀行強盗事件で犯人に仕立て上げられ、
死刑になった兄の無実を
いつか晴らそうとしている、
タクシードライバー・黒市憲三(安部徹)。


一方、真犯人であるギャングのアジトでは、
ボスの惑田(三津田健)、
舎弟の三郎(三井弘次)、
顧問弁護士、
そして、「深夜の市長(月形龍之介)」と呼ばれる男4人が、
相談を重ねている。


どうやら、銀行強盗の真犯人は惑田らだ、と、
誰かが垂れ込んだらしく、
警察の捜査が入りそうなのだ。
彼らは、それを訴えたのが、
組を辞めたがっている、
チンピラ・溝呂木文吉(山内明)ではないかと疑っている。


ある日、憲三は、
犬を拾ってくれた優しい女・旗江(空あけみ)と出会い、
心の安らぎを覚える。


しかし、旗江は、
文吉の妹で・・・。





現在、シネマヴェーラ渋谷で特集されている、
「名脇役列伝II 安部徹生誕百年記念 悪い奴ら」での1本。

abetoru100nen.jpg

冤罪で兄を死刑にされた男と、
ギャングたちとの攻防、
さらに、愛した女の兄が、
ギャングの組のチンピラであった事への
驚きと苦悩を描いた作品。


そして、何といっても、
忘れちゃいけないのが、
タイトルにもなっている、
「深夜の市長」の存在。


予備知識なく観にいったので、
私はてっきり、どこかの街の本物の市長が、
何か事件を起こす物語なのかと思っていたけど、
そうではなく、
彼は、勝手に市長を名乗っている。
なんだ、偽者かよ(笑)。


彼が、名前を聞かれた場面が笑える。
「俺の名前か?
 俺は、夜の街の市長だ。
 深夜の市長だ」だと(笑)。
そう聞かされた方もリアクションに困るであろう。


さらに、深夜の市長は、
クラブ歌手から愛を告げられた際、
「俺の事は忘れてくれ。
 俺は人を不幸にする男だ」と、
女の告白を拒絶する。
カッケー(笑)。
それでも、女は、
「私は諦めないわ」と。
相当、惚れられているらしい。


深夜の市長は、
自分より立場が下の者からは、
「市長閣下」と呼ばれている。
デーモン小暮か?(笑)


深夜の市長は、
服装もカッチョいい。
ハードボイルドの探偵みたいなコートと、
帽子をいつも着用していて、
ほぼ全編、そのスタイルで通す。


結局、彼は何者なのか。
それはラスト近くになって、分かる(笑)。


評価 ★★★☆☆

nice!(57)  コメント(8) 
共通テーマ:映画