◆アキラとあきら◆ [本]
父の経営する町工場が潰れ、
一家で、母の実家の世話になるしかなかった、
山崎瑛(やまざき・あきら)。
海運会社の御曹司として、
帝王学を身に付けた、
階堂彬(かいどう・あきら)。
2人の出会いは、小学5年生。
彬が乗っている高級車に、
瑛が轢かれそうになった時。
車の窓越しに見つめあった2人が、
将来、どのような形で再会するのだろうと、
ワクワクしながら読み進める。
2人は共に、東大を卒業し、
同じメガバンクに就職する。
2人が初めて会話をする場面は、
私が期待していたような、ドラマティックなものではなく、
意外とあっさりしていた(笑)。
でも、
展開が大変にドラマティック。
2人のアキラの優秀さを描くのに、
これ以上の場面はあるまいと思うくらいに。
物語は、
彬の実家の、
会社経営がメインなのだけれど、
この一族の兄弟間の軋轢には、
胸が悪くなりそうだ。
彬の父・一磨と、2人の叔父たち、
そして、彬と弟の龍馬。
叔父たちは一磨に、
龍馬は彬に、
何をしても敵わないことで、
ライバル意識に燃え、
それだけをエネルギーに生きている。
そして、その意識が、
経営に悪影響し、
想像を絶する負債を抱える事になる。
それに比べて、
瑛は、妹の千春(ちいちゃん)を気にかける、
とてもいい兄だ。
アキラとちいちゃん。
名前からして、なんか可愛い。
いいコンビっぽい(笑)
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小説は途切れなく読んでいる方だと思うのだけれど、
池井戸潤さんの作品は初めて。
今や、大人気の作家さんだけど、
何となく、手に取らずに今まできた。
読み応えがあって、とても面白かった。
ところで、この小説、
昨日、読了したので、
こうして感想を書いているわけだけれど、
どうやら、今夜からWOWOWで、
ドラマが放送されるらしい。
あらゆる媒体で広告を見るので、
かなり力が入っているのが分かる。
このタイミングだと、
私まで、宣伝に一役買っているようだけど、
私は有料放送とは無縁なので、
決して宣伝などではないです(笑)。
この本を買ったのも、
タイトルに惹かれただけで。
ドラマの宣伝写真を見ると、
向井理くんと、斎藤工くんが、
両アキラを演じるようだけれど、
とちらが、どちらのアキラの役なのだろう。
ドラマ自体に、それほど強い興味はないけど、
それだけ気になる(笑)。