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「クッキー・フォーチュン」 [映画]

cookiefortune.jpg
〔1999年/アメリカ〕


アメリカ南部の田舎町で暮らす
老女・クッキー(パトリシア・ニール)は、
家事を手伝ってくれる
黒人の青年・ウィリス(チャールズ・S・ダットン)を
頼って生きている。


夫との思い出の中で生きるクッキーは、
夫のいる天国に行こうと、ついに自分の頭を撃って自殺。
すると、彼女の姪の
カミール(グレン・クローズ)は、
一族から自殺者を出すなどみっともない、と、
妹・コーラ(ジュリアン・ムーア)を巻き込んで、
他殺に見えるよう、偽装工作。


クッキーを慕っていた、
コーラの娘・エマ(リヴ・タイラー)は
嘆き悲しみ、
さらに、大好きなウィリスが、
犯人として逮捕された事が信じられず、
ウィリスと一緒に留置所に入ってしまう。


そんな中、カミールの偽装を目撃していた
少年が現れ、
ウィリスは釈放され、
代わりにカミールが留置所に入る。


カミールは観念し、
「クッキーは、実は自殺だった」と
供述を始めるが・・・。





昨日、映画「フォーチュン・クッキー」についての感想を書くとき、
検索していたら、
「フォーチュン~」とセットになってヒットするのが、
この、「クッキー・フォーチュン」。


どちらもタイトルだけは知っていたけど、
こうなったら、どちらも観ないと気が済まない。
誰かとこれらの映画について話題になった時、
「えーっと、私が観たのは、
 フォーチュン・クッキー、いや、クッキー・フォーチュンだったかな?」と
なるのも嫌だ。
(今後生きていて、そういう話題になるかどうかは分からぬが(笑))


で、すぐに借りてきたのだけれど、


中々面白い。
私は、ティーン向けの「フォーチュン・クッキー」より、
ちょっとブラックな味付けの、
「クッキー・フォーチュン」の方が好き。


殺人を自殺に見せかける話ってのは
よくあるけど、
自殺を殺人に見せかけるってのも、
それはそれで難しい。


暴漢が入ったように工作しなければならないし、
指紋を拭き取る事はできても、
足す事はできないし。


グレン・クローズが、
そんな中年女を怪演。


彼女はとにかく、
自分の事しか考えられない女で、
クッキーが死んだと分かった途端、
遺書を食べてしまい、
目ぼしいアクセサリーを自分の物にしてしまう。


さらに、立ち入り禁止の黄色いテープを
どんどん取っちゃって、
「今後、クッキーの家は自分の物」みたいな態度で、
模様替えまで始める始末。


妹のコーラは、多少頭がゆっくりだし、
警察も、田舎ののんびりした雰囲気だから、
それでも、大きな問題にはならず、
雰囲気はホワーンとしている。


でも、侮ってはいけないよ(笑)。
人を舐めていると、
必ずどんでん返しがある。
そっか、そうきたか、って、
中々面白いラストだった。


評価 ★★★★☆

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「フォーチュン・クッキー」 [映画]

fortunecookie.jpg
〔2003年/アメリカ〕


中学生のアンナ(リンジー・ローハン)は、
ロックが大好きな女の子。
自分では普通のつもりだけれど、
学校では教師から目を付けられ、
しょっちゅう反省室に送られている。


アンナの母・テス(ジェイミー・リー・カーティス)は
精神科医で、病院は繁盛している。
3年前に夫を亡くしたが、
明後日、恋人・ライアン(マーク・ハーモン)と
結婚する予定。
目下の悩みは、
アンナがライアンに懐かない事。


そんな中、
家族で行ったチャイニーズレストランで、
大喧嘩になったテスとアンナ。
店の女主人は、そんな2人を見かねて、
フォーチュン・クッキー(おみくじ入りのクッキー)を
差し出した。


テスとアンナがそれを食べた翌朝目覚めると、
何という事か、
2人の心が入れ替わっているではないか。


アンナの外見をしたテスは学校へ行き、
テスの外見をしたアンナは仕事に行くのだが・・・。





昨日書いた、「フリーキー・フライデー」の
リメイク。
こちらもやはりディズニーで、
アメリカで大ヒットしたそうだ。


しかし、リメイクとはいえ、
設定は現代風。
「フリーキー~」では、
母親が良妻賢母だったのに対して、
こちらはシングルマザーというのが
決定的に違う。
しかも、母は再婚を控えちゃってるし。


さらに、さらに、
アンナの片思いしている男の子が、
この母と話をするうちに、
音楽の趣味がピッタリ合う事に感激し、
彼女に恋をしてしまう場面がある。


そりゃ、気が合うだろうよ、
外見は母でも、中身は娘なんだから。
しっかし、高校生の男の子が、
ガールフレンドの母に恋するなんてこと、あるのかしら。
まぁ、絶対ないとは言えないけど。


一番気になるのは、
もしも2人がこのまま元に戻れなかったら、
アンナは母の外見をしたまま、
ライアンと結婚しなければならないという事。


私が中学生の頃を思い出してみても、
親みたいな年の、
中年のおっさんと、
キスしたり、それ以上事をするなんて、
絶対考えられなかったし、
万が一、そんな事があったら、
オエーって感じだったから、


それは、母の外見をしたアンナも同じで、
ライアンがキスしようとしても、
もう絶ーーー対イヤって感じで、
何とかして理由をつけて避ける避ける。
分かるなぁ、その気持ち、
でも、結婚したらどうなるの?って。


こんな事しか考えられない私に、
この映画を観る資格はないのかも(笑)。


母と娘の入れ替わり物だったら、
映画版「あたしンち」の方が、
邪な心が入りにくい分、
私には合っているような気がするわ(笑)。


評価 ★★★☆☆

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「フリーキー・フライデー」 [映画]

freskyfriday.jpg
〔1976年/アメリカ〕


アナベル(ジョディ・フォスター)は
13歳。
ホッケーや水上スキーが大好きな
活発な女の子。


アナベルのママは、
主婦は大変だと言うけれど、
あんなもの、誰にでもできる。
食事の支度をして、
お掃除して、
洗濯して、
あとはテレビ見ながら、ポテチ食べてるだけじゃない?


ママは、アナベルの態度が悪く、
成績が下がってきた事が心配でならない。
勉強してほしいのに、
遊んでばかりいて、
忙しい大人と違って羨ましい。


「ママになりたい」
「アナベルになりたい」
2人が同時につぶやいた途端、
なんと不思議。
心が入れ替わってしまったではないか!


ママになったアナベルは、お洗濯を始め、
アナベルになったママは、
ホッケーの試合に出るけれど、
失敗ばかりで・・・。





今ではすっかり大御所の感さえある
ジョディ・フォスターが
子役だった頃に主演した映画。


ディズニーだけど、
日本では未公開だったらしい。


とにかく途中までつまらない(笑)。
母親と娘の心が入れ替わるのは
まぁ、いいとしても、
展開がありきたりすぎて、
飽きる。


2人が、
心が入れ替わってしまった事について、
何の疑問もなければ、
元に戻そうと焦る様子を見せないのも変。
完全に受け入れちゃってるじゃん(笑)。


この流れだと、
「主婦業って」、「子供って」、
「意外と大変」って所に落ち着くのが見え見えで、
何の捻りもなく、
むしろ、いくら13歳だって、
洗濯機の常識的な使い方くらい知ってるだろうと、
そのわざとらしさが鼻につく。


ところが、
ラストのドタバタになると、
可笑しくて可笑しくて、
あはははは~と、
何度も声をあげて笑ってしまう。


さすがディズニー、
つまらないと思わせて、
ちゃんと面白い場面を用意しているのね。
やっぱり映画はきっちり最後まで観ないと駄目だ。


ジェイミー・リー・カーティスとリンジー・ローハンの、
「フォーチューン・クッキー」という映画の
タイトルだけは知っていたけど、
それがこの「フリーキー・フライデー」の
リメイクだと、今、初めて知った。


気になる。
近いうちに観てみなければ。


評価 ★★★☆☆

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「父の秘密」 [映画]

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〔2012年/メキシコ〕


ロベルト(ヘンナン・メンドーサ)は最愛の妻を交通事故で亡くし、
心機一転するため、
娘のアレハンドラ(テッサ・イア)と、
メキシコシティに引っ越す。


アレハンドラは新しい学校で友達もでき、
楽しそうにしている。
しかしロベルトは、妻を失ったショックから、
なかなか立ち直れていない。


友達の別荘に泊まりがけで遊びに行ったアレハンドラは、
そこでボーイフレンドのホセと性行為に及び、
その様子をホセのケータイで撮影する。


ところがホセがその動画をネットにアップし、
学校中が噂で持ちきりとなる。
そしてアレハンドラは、それがきっかけで、
壮絶なイジメの対象となってゆく。


修学旅行に出かけた先でも
激しいイジメに遭い、
アレハンドラは、そのまま姿を消す。
学校は彼女が死んだものと大騒ぎとなり、
イジメが発覚、
ロベルトの怒りは頂点に達し・・・。





辛くて辛くて、観ていられないほど辛い。
どこの国でもイジメはあるのだと、
分かってはいるけれど、
ここに出てくる少年少女たちのしている事は、
イジメではなく犯罪じゃないか。


主人公のアレハンドラは、
ボーイフレンドが撮影した性行為の動画がきっかけとなって、
イジメを受けるのだけれど、
トイレに男子生徒が入って来てセクハラされたり、
女生徒が作った、怪しげなケーキを無理矢理食べさせられたり、
地獄としか言いようがない。


修学旅行先でおこった事は、
酷すぎて、体に力が入ってしまう。
アレハンドラは、生徒たちから、
バスルームに閉じ込められ、
旅行の間じゅう、そこで寝泊まりする。
そして、入ってきた男子生徒に凌辱までされてしまう。


動画が出回ってしまったせいで、
生徒たちは、彼女には、
何をしてもいいみたいな雰囲気が蔓延してしまっている。


私は声を大にして言いたい。
特に若い女の子に。


今、どんなに好きな恋人がいたとしても、
絶対に、絶対に、
性的な動画や写真を撮らせてはいけない。


恋愛に夢中な最中は、
「この恋は永遠」と思うだろう。
その気持ちは分かる。
でも、いつしか熱情が冷め、
女の方からか、
男の方からか、
どちらかが別れを切り出した時、
相手が逆上しないという保証はない。


いや、もしかしたら、
その恋は永遠かもしれない。
2人はいつまでも仲良く、
撮った動画や写真は、
素敵な思い出になる事もあろう。


でも、それらを保存してるPCやケータイがウィルスに感染したら?
盗まれたら?
落したら?
あっと言う間に動画は流出し、
世界の裏側まで出回ってしまう。


私のような、いい年をした大人が
こんな事を言ったって、
小うるさいだけだろうけれど、
傷つく可能性のある行為は、
極力しない方がいいという、大人の分別。


これからの家庭や学校は、
そういった教育も必要だと思うなぁ。


評価 ★★★☆☆

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「猫と鰹節 ある詐話師の物語」 [映画]

nekotokatuobushi.jpg
〔1961年/日本〕


白神善六(森繁久彌)は、天才詐欺師。
4人の仲間(ミッキー・カーティス、三木のり平、森川信、千葉信男)と組んで、
今日も、カモを見つけ、
金を巻き上げる。


そんなある日、
善六は、店を買い替えたいというバーのマダム(草笛光子)の
存在を知り、
彼女が金を欲している事に付け込み、
200万円を騙し取った上に、
体までいただいてしまう。


騙されたと気付いたマダムは、
怒り狂い、
金を取り返すべく、
善六と組んで、盛大な賭場を開く。


ところが、
善六とマダムの仲に嫉妬した善六の妻が、
警察に密告し・・・。





ここの所、
植木等さんが詐欺師まがいの男を演じる映画を
立て続けに観ているけれど、
この映画の主演は森繁久彌さん。


同じコメディでも、
植木さんとはまた違った風情で楽しい。


まぁ、とにかく金金金。
世の中、それしかないのかというくらい
(ないんだろう(笑))
札束の山が、何度も何度も映し出される。


私は偽善者ではないので、
正直に書くけど、
やっぱり羨ましい。
テーブルに積まれたり、
鞄に入りきれないくらいの札束の、
全部とは言わないけど、
あの半分でももらえたら、
あれもしよう、これもしようと、
妄想は膨らむばかり。


そんな観る者の気持ちを代弁するかのような、
草笛光子さんの演技が秀逸。
彼女は、バーを買い替えたいという目標がある上に、
それが全くの夢物語ではないせいで、
余計に金を欲している。


で、札束を見る時、
瞳がキラっと光る。
あんなに綺麗な草笛さんが、
そこまで金に執着するというギャップ、
そして、金を失った時の号泣する様子に、
こちらは本気で感情移入してしまう。


そして、当然の事だけど、
森繁さんが上手すぎ。
この人、俳優じゃなかったら、
詐欺師になればいいのに、と思うくらい、
役にハマっている。


そして、好色なのもいつも通り(笑)。
そんな森繁さんの浮気癖に、
いつも目を光らせている妻を演じるのが、
乙羽信子さん。
彼女の演技が、また最高。


最後まで、どんでん返しで目が離せない。
詐欺師ものって面白い。


評価 ★★★★☆

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