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「美女と野獣」 [映画]

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〔2017年/アメリカ〕


ある大きな城に住む王子は、
その傲慢な性格ゆえ、
魔女の魔法で、野獣の姿に変えられてしまう。
王子が人間の姿を取り戻すには、
魔女が残した薔薇が全て散ってしまう前に、
誰かを、心から愛し、愛されることが必要。


一方、麓の村で暮らす、
ベル(エマ・ワトソン)は、
美しいけれど、少し変わった女の子。
本を読むことが大好きで、
ハンサムだけど、野卑で冷酷な
ガストンからのプロポーズには見向きもしない。


ある日、ベルの父・モーリスが商用に出掛けた帰り道、
森の中で、道に迷ってしまう。
狼に襲われ、
逃げ込んだのが野獣の城。
モーリスは、ベルへの土産にと、
庭の薔薇を一輪手折ったところ、
野獣の逆鱗に触れ、牢に入れられてしまう。


父の愛馬だけが家に戻り、
異変を察知したベルは、
馬に乗り、野獣の城に行く。
自ら、幽閉された父の身代わりになったベルは、
城で暮らす事になるが・・・。





なんという美しさ。
まさかこれほどとは。
ディズニーの魔法に酔った130分。
観終わったあとも、
余韻がずっと体から離れずにいた。


ベルが父親の身代わりになった場面、
ベルと野獣のダンス、
そしてラスト・・・
何度も何度も涙が出た。
人は悲しい時や嬉しい時だけ、
涙を流すわけじゃない。
美しいものを見た時や、
切ない時にも、
涙は自然に出てくる。


元々、「美女と野獣」はとても好きな物語。
ベルはとても能動的で、
メソメソして他人に頼ったり、
王子様の出現をひたすら待っているわけじゃない。
父が野獣に捕まれば、
自ら身代わりを買って出る、
その男前ともいえる勝気さ。
そんな所に強く惹かれる。


ベルの幼い日の秘密も明かされる。
そういった「付け足し」場面が、
アニメが84分だったのに対して、
この実写が130分に膨らんだ理由だろう。


今回のそういった「付け足し」、
私は、まぁ、あっても無くても良かったけど(笑)、
とりあえず実写だし、大作だし、
あった方が、お得感があるのは確か。


それにしても、
ガストンというのもおかしな男だわ。
ベルが好き、結婚したい、と言っているのに、
何故かベルの父を酷い虐待行為を。


彼はきっと、
彼女の美しさだけに惹かれ、
そして、
村でたった一人、
彼を愛さない女がいる事が許せず、
強引にでも「モノ」にしようとしているのだと想像する。
こういった男に自由にされたら、
すぐ飽きられて、ポイ捨てされる・・・
と私は断言する(笑)。


このガストンと、
舎弟のル・フウとの間に同性愛的感情があって、
そのせいで、アメリカ・ロシア・アジアの一部地域で、
上映が規制されたと知って、ビックリ。
あの2人がそんな関係だとは全く感じなかったので。
私が鈍いのか?
観られた方はお気づきになられているのでしょうか。


ベルを演じたエマ・ワトソンは、
「ハリー・ポッター」シリーズで、
ハーマイオニー役だったことは誰もが知っている事だけど、
本当に上手く成長していると実感する。
「何をやらせてもハーマイオニー」というのが、ない。


彼女に限った事ではなく、
以前はよく言われた、
「子役は大成しない」というジンクスは、
最近はあまりないと感じるのは、気のせいだろうか。
それは本人の努力もあるけど、
過去の一部の子役たちの悲惨な末路から、
親や、周囲の人々が学んだ結果というのも大きいのだろう。


とにもかくにも、
エマは、ベルの役にピッタリだった。
もう一度観て、
今度は細部を検証したい気分。


評価 ★★★★★

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