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「魚河岸帝国」 [映画]

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〔1952年/日本〕


塚本良介(田崎潤)は、
築地の魚河岸の運送業「河岸運送」で、
トラック運転手として働くことになった。


「河岸運送」の社長・河岸五郎(山村聡)は、
社員から「帝国」とあだ名されるくらい、
ワンマンで強引な男。
社員たちも皆、一癖ある者ばかりで、
良介のような大学出は珍しい存在。


ある日、良介は、
社員の弘(片山明彦)の姉・深雪(花柳小菊)を
助手席に乗せている時、
事故を起こしてしまう。


骨折した深雪の見舞いを欠かさずに行っていた良介に、
最初は反発して深雪も、
次第に心開くようになる。


そんな中、
会社内では、
乗っ取りを企む連中が準備を進めており・・・。





これは貴重な映画だ。
勝鬨橋が跳開する様子が、
2度見られる。


1度目は遠景から。
そして2度目は間近から。


2度目などは、
開きかかった橋を猛スピードで走る田崎潤さんの車が、
ビョーンと飛び越える。
「こち亀」かよ、両ちゃんかよ(笑)。


勝鬨橋には、この間行ったばかりなので、
余計に感慨深かった。
橋そのものは同じだけど、
周囲の景色が全然違うなぁと、
撮った写真と見比べながら思ったり。


映画は、築地を舞台にした、
活気あるもので、
恋の要素も含んでいて、
中々面白い。


ちょっと変だなぁと思ったのは、
田崎さん扮する良介が起こした事故の原因は、
ほぼ100%深雪にあるというのに、
それについて、良介も深雪も全く触れない事。


なぜ良介があそこまで責任を感じて、
頭を下げるのかが、よく分からない。


しかも、普段、
感情を露わにせず、
表情の乏しい良介が、
深雪を好きだと告白する場面に、ちょっと驚く。
なんだかいつも冷静で、
そういう感情とは無関係に生きている人に見えたから。


魚河岸で働く男たちは、
狭い部屋でひしめき合って暮らしているのだけれど、
なにせ荒くれ者ばかりで、
すぐ喧嘩が始まる。


少し前に、私は、
野球で乱闘が始まると嬉しくなる、みたいな事を書いた気がするけど、
この荒くれ者たちも、
ちょっとしたことで、
全体で乱闘となり、
それを観ている私は、
あははははは~と声を上げて笑ってしまった。


現在、東京都の重要課題である、
築地か豊洲か、の問題。
一体どうなる事やら。


評価 ★★★☆☆