「一日だけの淑女」 [映画]
〔1933年/アメリカ〕
ブロードウェイでリンゴ売りをする貧しい老女・アニー。
彼女のリンゴは縁起がいいと、
賭博場の親分・デーブは贔屓にしてくれている。
アニーは、1人娘のルイズをスペインの修道院に預けていた。
アニーはルイズに、
自分は上流階級の身分で、
マーベリーホテルで暮らしていると教えていて、
マーベリーホテルで下働きをする男から、
ホテルの名入り便箋でルイズに手紙を送っている。
ところがある日、ルイズから来た手紙を読んだアニーは驚愕する。
恋に落ちたルイズの相手は、
伯爵の息子・カーロスで、
カーロスの父・ロメロ伯爵と3人で、
もうすぐニューヨークにやって来る、と言うのだ。
自分の本当を知られるくらいなら死んだほうがマシ、と思い悩むアニーだが、
そんな彼女を見かねた仲間たちがデーブに頼み込み、
彼女にドレスを着せ、髪を整え、
マーベリーホテルの一室を与える。
ルイズたちがニューヨークに到着した。
アニーたちの計画は上手くいくのか・・・。
魔法が出てくるわけではないのだけれど、
これもある種のファンタジー映画。
外国に住む娘に、
自分は上流婦人だと嘘をついている、
リンゴ売りをする貧しい老女・アニーが、
多くの人の力を借りて、
窮地を乗り切るという物語。
「娘を騙すなんて」とか、
「嘘はいけない」などのご意見もあろうが、
まぁ、そこは深く考えずに、
映画を楽しめばいいって事で(笑)。
それに、アニーは、
自分のしていることを、
正しいと思っているわけでは決してなく、
途中、ロメロ伯爵に、
真実を打ち明けようとする場面がある。
やっぱりこの場面が大事よね。
ただただノー天気にだけ話が進んでいったら、
アニーは、
人様の善意に乗っかっているだけの女になってしまう。
ネタばれしてしまうと、
アニーの娘を思う気持ちに打たれ、
最後には市長や知事までが出てきて、
この計画に協力してくれる。
映画は終わるけど、
彼らに未来があるなら、
この先は一体どうなってしまうんだろう。
ルイズとカーロスは、
スペインで無事結婚するとしても、
今度アニーに会う時は???・・・
やっぱり深く考えるのはやめよう(笑)。
なにせ、83年も前の映画だもの。
評価 ★★★☆☆