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「パッセンジャー」 [映画]

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〔2016年/アメリカ〕


近未来。
人類は増えすぎた人口を調整するため、
「移住プロジェクト」として、
宇宙船アヴァロン号に5,000人を乗せ、
地球を飛び立った。


目的の惑星まで120年。
冬眠ポッドで、到着の日まで眠っているはずの人々だったが、
ポッドの故障で、
たった一人、エンジニアのジム(クリス・プラット)が
目覚めてしまう。


目的地まであと90年もある。
このまま、たった一人で、
年老いて死んでゆくというのか。
ジムは絶望のあまり、
自死さえ考える。


1年後、ポッドから、
また一人、オーロラ(ジェニファー・ローレンス)が目覚める。
歓喜するジム。
2人だけの宇宙空間で、
彼らは互いに惹かれ合い、
いつしか結ばれる。


ところが、アヴァロン号に大きな危機が迫る。
このままでは5,000人の人間が全員死んでしまう・・・。





試写会で観た。


まず、日本版の主題歌を担当した、
JUJUさんのライブ。


その後、誰か特別ゲストが来るという。
誰だ誰だ?
劇場中が期待しているのが分かる中、
登場されたのが、
草刈正雄さん!

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うわー!
カッケー!!
日本で一番素敵な64歳!!!


草刈さんとJUJUさんが、
ネタバレしない程度に、
この映画のトークで盛り上げる。


で、映画。


もうめっちゃ考えさせられる。
もし自分だったら、
もしこの人だったら、って、
何度も何度も考える。


無限に広がる宇宙で、
たった一人。
一人ぼっち。
食料や、生きていく上で必要なものは、
全て揃ってはいるけれど、
誰もいない。
そして、そこで人生を全うしなければならない事は、
決定事項。


宇宙船内で、一人で目覚めるのは、
無人島に一人で流されたのと似ていると感じた。


ショック

パニック

抜け出す方法を模索

諦め

順応


といった段階を踏む所も。
無人島と違うのは、
救い出される可能性が0%で、
希望が一つもない事だけれど。


圧倒的な孤独。
そんな中、目覚めたのが、
年頃の女・オーロラなのだから、
ジムが有頂天になるのも分かる。
いや、実は、彼女が目覚めたのには
理由があるのだけれど、
ここには書かない。


“オーロラ”って、
ディズニー映画、「眠れる森の美女」の
オーロラ姫の名前よね。
http://aomikamica.blog.so-net.ne.jp/2014-06-03
http://aomikamica.blog.so-net.ne.jp/2014-07-17
想像だけど、このネーミングは、
偶然ではないと思う。
お伽話のお姫様と、
宇宙を旅する女。
どちらも魅力溢れる、眠れる美女。


こんな宇宙船の中にも、
格差があるのが、可笑しいような、悲しいような。


技術者で、財力のないジムは、
飛行機でいえば、エコノミークラス。
そして、小説家の父を持ち、
自身も文筆業で食べていきたいと願う、
金持ちのお嬢様・オーロラは
ファーストクラス。


宇宙くらい、貧富の差は無くしたら?と思うけど、
人間に上下を付けなければいられない、
それが人間の性なのかもしれない。


地球だったら、
決して結ばれる事はなかったであろう、そんな2人が、
あれほど愛し合えたのは運命?
(他に選択肢がなかったという、
 身も蓋もない説はこの際考えまい(笑))


そして、その後迎える、
アヴァロン号の重大な危機。


ラストは究極の選択だけど、
私が一番望んだ結末だったので、
ホッとした。


SFとしては弱いんだろうけど、
色々考えさせられたので、
少しお利口になった気分(笑)。


ところで、
自分だったら、アヴァロン号に乗るか乗らないかって、
そもそも基本の選択だけど、
私は乗らない。
なぜなら、120年も故障しない機械なんて、
有り得ないと思うから。


評価 ★★★★☆

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