「フレンチ・ラン」 [映画]
〔2015年/フランス〕
パリ在住のアメリカ人・マイケル(リチャード・マッデン)は、
天才的なスリの腕前の持主。
そんな彼が、
若い女のバッグを置き引きした。
しかし、金目の物は何も入っておらず、
ケータイだけ抜き出し、
あとは道端に捨てたところ、
そのバッグが爆発、
4人の市民が死ぬ。
テロリストと勘違いされ、
指名手配されたと知ったマイケルは、
逃げ出す準備をするも、
CIAの捜査官・ショーンに捕まり、
必死で事情を説明する。
マイケルの言葉に嘘はないと直感したショーンは、
マイケルと真犯人探しに出るが・・・。
試写会で観た。
天才スリ・マイケルと、はみ出しCIA捜査官・ショーンが、
テロリスト探しに奔走するバディムービー。
冒頭から笑える。
マイケルは、
美人モデルを全裸で広場を歩かせ、
人々が気を取られている隙に、
スって、スって、スリまくり、
そして、美人と金を分ける。
その時の人々の様子が可笑しい。
若者たちはヒューヒューと声を発しながら大喜び、
老人たちは呆気に取られ、
尼さんたちは卒倒しそうになっている。
そんな状況の時、
財布やケータイを、
自分は絶対盗まれないなんて、
言い切れる人がいるだろうか。
私は女だけど、女の自分でも自信がない。
そういった、非日常な事が目の前で起こったら、
そちらに気を取られてしまって、
他の方の意識がお留守になってしまうのは簡単に想像が付く。
マイケルは、その時に盗んだ品を、
古物屋に持ち込むのだけれど、
数々の盗品の中に、
なんと、
日本のパスポートが2冊ある。
それ見たことか(笑)。
どうやら、日本人観光客2人が、
全裸美人に気を取られていたらしい(笑)。
そんな事で、パスポートが悪用されて、
日本にテロリストが入り込んだら大変だ。
海外に行った際、全裸の人を見たら気を付けましょう(笑)。
この映画の肝は、
真犯人はテロリストでなく、
テロリストの犯行だと思わせておいて、
自分の本当の目的を達成する部分だと思う。
つまり、最悪なテロという行為が、
逆に利用される場合がある、という事を示しているわけで。
それっぽい犯行声明まで出された日には、
本物のテロリストが、
「俺じゃねーよ」といくら叫んでも、
誰も信じはしないだろう。
どんな時でも、日頃の行いが大切ね。
評価 ★★★☆☆