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「未来の想い出 Last Christmas」 [映画]

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〔1992年/日本〕


1981年。
売れない漫画家・納戸遊子(清水美砂)は、
頑張って努力はしていたが、
持ち込んだ作品はことごとくボツとなり、
パッとしないまま歳月だけが過ぎてゆく。


一方、OLの銀子(工藤静香)は、
デザイナーの倉美(デビット伊東)に片思いするも、失恋、
口説かれた証券マンの杉田(宮川一朗太)と結婚。
しかし、結婚後は杉田のDVに悩んでいた。


1991年。
遊子と銀子は、あるきっかけで知り合い、意気投合するが、
数日後、遊子は突然死、銀子は事故死を遂げる。
ところが、2人は死後、1981年に戻っていたのだ。


遊子は大ヒットした漫画、「食いしんぼ」をトレースし大ヒット、
一躍売れっ子漫画家となり、
銀子は、競馬や株で大儲けをする。
そして運命の1991年が近づく。


またしても死んだ2人は1981年に戻る。
でも、今度は、他人の模倣は嫌だ。
遊子は、自分の漫画で堂々とデビューし、ヒットさせ、
銀子は倉美との愛を成就させる。
そしてまた、自分たちが死ぬ日が近づくが・・・。





2000年以降、工藤静香がメディアに出てきても、
見ない事にしていた。
まったく、拓哉ったら・・・と、
まるで底意地の悪い小姑のような自分(笑)。


この映画も、「どうなのよ」ってな気分で観始めたのだけれど、
(じゃあ観るなよって話だが(笑))
いやいや、意外。
悪くない。
お話も面白いし、
工藤静香はまだ若く、可愛い。


1981年から1991年の10年間を、
3度も生きる2人の女の子。


3度も同じ時間を生きるなんて飽きるだろうなぁと思いながら
観ていたけれど、
1度目は、パッとしない人生、
2度目は、他人の模倣をして大儲けする人生、
3度目は、実力で勝ち取る人生、と、
レベルアップしていくのがいい。


原作は、藤子・F・不二雄の漫画だそうで、
なるほど、おもしろいはずだわ、と思うし、
大変に力が入っているのが分かる。


例えば、遊子の出版記念パーティに、
本物の漫画家先生たちが出てくるのだけれど、
その顔ぶれというのが、
藤子不二雄Aさん、
赤塚不二夫さん、石ノ森章太郎さん、
永井豪さん、つのだじろうさん、
さいとう・たかをさん、コンタロウさん、
そして、蛭子能収さんという面々!


なんという凄さ。
今の日本の漫画の基礎を作ったともいえるような、
神様みたいな方々が一堂に会するなんて、
うわーという感じだし、
皆さまが、この映画を作るに当たって、
全面的に協力しようというお気持ちが、
強く伝わってくるではないか。


それから、意外な人物を発見。
工藤静香のOL時代の同僚役の女の子を
見た事のある顔だなーと思って眺めていたら、
「あっ!」と思った。
演じているのは、
爆笑問題の太田光氏の
奥様・太田光代さんじゃないか。


鈴木京香がほんの数秒の出演というのも可笑しい。
今では大女優然としている彼女も、
この頃はまだまだ端役だったというわけね。


ぜひ、原作を読んでみたい。


評価 ★★★☆☆