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「こころに剣士を」 [映画]

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〔2015年/フィンランド・エストニア〕


第二次世界大戦中はドイツに、
そして、戦争末期にはソ連に占領されていた、
エストニア。


ナチスからスターリンの手に渡った、
この悲しい国の郊外の小学校に、
エンデル(マルト・アバンディ)が
教師として赴任してくる。


実は彼は、ソ連の秘密警察に追われており、
名前を変えてのことだった。
本当は子供が苦手だが、
生きるためには仕方がない。
目立つような行為は絶対控えねばならない。


元フェンシングの選手だったエンデルは、
生徒たちにフェンシングを教え始める。
この学校の生徒たちの多くは、
ソ連によって、親を奪われた子供たちだ。


フェンシングは生徒たちを夢中にし、
上達に喜びを覚えるようになる。
ある日エンデルは、生徒たちから、
レニングラードで行われる大会に出たいと懇願される。
レニングラードに行く事は、捕まりにいくのも同じ。
エンデルは激しく躊躇するが・・・。





試写会で観た。


フェンシングという、
私とは縁もゆかりもない、
防具などを直接見た事もなければ、
試合風景さえほぼ見た事のないスポーツに、
入ってゆけるのかどうか、
少し心配だったけれど、
それなりに楽しめた。


というのも、この映画は、
ガチガチのスポ根物語では全くなく、
秘密警察に追われる主人公が、
地方の小学校で、
生徒と交流し、
恋をし、
一人の人間として、どんな風に変わってゆけるのかを
描いた物語だからだ。


なので、主人公からフェンシングを教わった子供たちが、
試合経験ゼロから、
いきなり大きな大会に出るという展開に、
むしろ、
「だ、大丈夫!?」と思ったくらい。
比べちゃいけないけど、あの迷作「ベスト・キッド」を
思い出しちゃったよ(笑)。


でも笑っちゃいけない。
これは実話なのだそうだ。
映画には描かれていないだけで、
実際にはもっと、
色々あったのかもしれないし。


フェンシングの試合風景などを見ていると、
顔に付ける防具から、
日本の剣道を思い出させる。
日本とヨーロッパという、
全く違う場所から発祥したスポーツなのに、
面白いな、と思う。


世界には、他にも、
そんな風に顔に防具を付けて戦う剣術ってあるんだろうか。


評価 ★★★☆☆

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