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「地底の歌」 [映画]

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〔1956年/日本〕


錦糸町の駅前を歩く3人の女子高生、
トキ子、
花子、
松江。
彼女たちは、彫り物師の所へ、
入れ墨を入れる様子を見学に行くつもりなのだ。


そこへ現れたのが、通称“ダイヤモンドの冬”(石原裕次郎)。
冬はヤクザの組・吉田一家の構成員で、
これから施術を受けると言う。
トキ子と松江は、
冬のあまりの痛がりように、
その場を離れるが、
花子だけは逃げ出さず、
それがきっかけで、冬と懇意になる。


トキ子の父は、
冬の組と対立する伊豆一家の親分で、
彼女は、父の舎弟・鶴田(名和宏)に惚れている。


ある日、花子は、
吉田一家の三下・鉄に騙され、
飲み屋に売られてしまう。


また、鶴田は、
冬の姉で、
賭場のイカサマ師の情婦をしている、
辰子を愛するようになるが・・・。





タイトルだけ見ると、
「地底探検」や「センター・オブ・ジ・アース」みたいなSF?と
勘違いしそうだけど、
SFの要素は全く無い、ヤクザ映画。


といっても、
原作が平林たい子なので、
女性が描くヤクザといった感じで、
私でも取っ付き易い。


まず、出だしがいい。


女子高生が3人、
ヤクザが入れ墨を入れる様子を見学するなど、
正直、ちょっと羨ましいような始まり。


私も、機会があったら、
誰かが入れ墨を入れている様子を見てみたい、などと考えながら、
そのシーンを眺めていた。
おそらく、そのような体験は、
一生できない気がして。


この、物見高い性格は
一生変わらない気がするけど(笑)。


美人局をするために、
ヤクザの三下に付いていってしまう花子の行動が
危なっかしくて見ていられない。
案の定、彼女は、
騙すつもりが騙されて、
行方知れずになってしまう。
素人の女子高生が、
そんな簡単に美人局なんてできるもんじゃないって。


鶴田と辰子の関係が切ない。
辰子はイカサマ師と組んで、
賭博で他人の金を巻き上げる仕事をしているけれど、
根っからの悪女ではないし、
鶴田の事を愛し始めている。
色々考えさせられる。


裕次郎さんが主役かと思ったけど、
それほど出番は多くない。
彼にとっては4作目の映画。
まだ新人扱いだったのだろう。


評価 ★★★☆☆

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