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「マダム・フローレンス! 夢見るふたり」 [映画]

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〔2016年/アメリカ〕


1944年。
ニューヨーク。
富豪のマダム・フローレンス・ジェンキンス(メリル・ストリープ)は、
若い音楽家を育てるため、私財を惜しみなく捧げてきた。


そんな彼女は、自分の夢だった、
ソプラノ歌手としてステージに立つため、
レッスンを開始する。


実は彼女の歌は、
他人に聞かせられるようなレベルではないのだが、
本人はそれに気付いていない。
雇われた若いピアニスト・コズメは、
初めて彼女の歌を聞いた時、卒倒しそうになる。


しかし夫のシンクレア(ヒュー・グラント)は、フローレンスのために、
マスコミを買収し、
友人だけを集めた、小さなリサイタルを開催する。
すると、それに気をよくしたフローレンスは、
カーネギーホールでコンサートをしたいと言い出す・・・。





試写会で観た。


劇場内は、爆笑に次ぐ爆笑。
メリル・ストリープ演じる、主人公・フローレンスの、
歌の自己評価と、
他人の感想の
あまりのギャップに。


これほど自分を客観的に見られない人っているのかしら、
と思ったけど、
なんとこれは実話だそうだ。
彼女の歌がどんなものか、
私の能力では説明できないので、
ウィキペディアから引用させていただきます。


「彼女のレコードを聴くと、
音程とリズムに関する感性がほとんどなく、
極めて限られた声域しか持たず、
一音たりとも持続的に発声できないこと、
伴奏者が彼女の歌うテンポの変化と拍節の間違いを
補って追随しているのがわかる。」


それでもフローレンスは、
聴衆から愛され、大変な人気だったのだそうだ。
これは、彼女の人柄と、
若干の「怖いもの見たさ」的心理かなぁと思うけど。


メリル・ストリープが、
この愛すべき可愛い女・フローレンスを、
何の衒いも気取りもなく、
自然に演じている。
まるでストリープ自身が、
本物のフローレンスみたいに違和感がない。


ヒュー・グラント演じる夫は、
フローレンスのために尽力する。
それは、分からなくもないのだけれど、


結果的に彼女が人気者になったから、
いいけれど、
彼のした事って、優しさなんだろうか、
と思わなくもない。


フローレンスは、下手な歌を披露しては、
観客から笑われ、
見世物のようにされている。
笑わせるのが目的の芸人ならともかく、
本人は大真面目だというのに。


私だったら、本当の事を言ってほしいなぁ。
「君の歌は趣味だけに留めておくべきだ」って。


評価 ★★★☆☆

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