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「何者」 [映画]

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〔2016年/日本〕


大学の演劇サークルに在籍していた拓人(佐藤健)、
拓人とルームシェアする光太郎(菅田将暉)、
真面目な性格の瑞月(有村架純)、
英語が堪能で押しの強い理香(二階堂ふみ)、
理香と同棲する隆良(岡田将生)。


5人は、同じ大学の学生で、
現在、就職活動の真っ只中。


彼らは、自分が持つカードやツールを
フル利用して、
何とか内定を取ろうと必死で、
お互いを牽制し合い、
本音と建前も実は違う。


この中から、一人二人と
内定に漕ぎつけた者が出てくると、
彼らの関係にも変化が現れ・・・。





大変な人気だと聞いていたけれど、
思っていた以上のようで、
私が劇場でチケットを買おうとしたら、
なんと空いている席はたった一つ。
良かった、危うく違う映画にチェンジする所であった。


見回すと、観客の皆様は、
殆どが若者。
人気俳優が多数出ているせいもあろうが、
私はやはり、若い世代がこの内容に惹かれて
観に来るのだろうと思った。


物凄いリアル。
就職活動もそうだし、
SNS無しでは生きられない若者たちの行動や気持ちが
いかにも今風で。


数年前に、就職活動をしていた大学生の友人が
何人かいるので、
あの苦しい感じが
肌で分かるのかもしれない。


登場人物たちの行動を
「痛い」、「寒い」とも思うし、
半面、必死なのも分かるし、
あまり突っ込んだ意見は控える。
仕事に対する考えは、人それぞれ違う。


就職に必死になる者、
集団には属したくないという者。
それはもう個人の勝手。
どちらかがどちらかを貶めたり、
馬鹿にしたりするのは以ての外。
それは若者でなく、
今の私でもそう思う。


映画とは全然関係ない話を一つ。
私の友人に、手塚治虫さんの漫画を殆ど読んでいるという
男の子がいる。


その子が、就職試験の面接で、
面接官と、なぜか手塚さんの話になり、
「『奇子』を読んでいる若者に会ったのは初めてだ」と大変に喜ばれ、
最終面接が終わった後、
会社の食事会に誘われ、行ったのだそうだ。


結局、別の会社にも合格したその子は、
迷って迷って、苦しむほど迷った末、
その会社には行かなかったのだけれど、
人生、どんな事でも無駄にはならない、
漫画の知識だって、
時には大変に役に立つことがあるんだと、
強く思わされた出来事だった。


これから就職活動をする学生の皆さんには、
本当に心から、頑張ってほしいと思う。


評価 ★★★★☆

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