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「続 サザエさん」 [映画]

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〔1957年/日本〕


相変わらずお転婆でそそっかしいサザエさん(江利チエミ)だが、
フグ田マスオさん(小泉博)に出会ってから、
彼女の中で、何かが変わろうとしていた。


ある日、高校のクラス会に行ったサザエさんは、
旧友たちが皆結婚している事を知り、
ますます結婚への思いを募らせる。


そんな中、
隣家に小説家・伊佐阪難物(三木のり平)と
その妻・軽子(藤間紫)が引っ越してくる。
軽子と会ったお母さん(清川虹子)はビックリ。
2人は女学校時代の同級生だったのだ。


フグ田さんが、母親を連れて、
磯野家にやって来た。
しかし、サザエさんは大失態をおかしてしまい、
もうダメだと泣き出してしまう・・・。





先日書いた、「サザエさん」の続編。


サザエさんの物語と関係なく、
「うわー!」と思ったのが、
江利チエミさんが、クラス会の余興で見せた、
美空ひばりさんと雪村いづみさんの物真似。


江利さん、美空さん、雪村さんといえば、
当時「三人娘」と呼ばれていたのは、
私だって知っている。
この場面は、観客ヘのサービスシーンなのだろうか、
とにかく、当時を知らない私でも、
嬉しくなって、ニコニコしながら観てしまった。


あとはもう、サザエさんらしい小ネタがいっぱい。
カツオに、顔に墨を塗られたまま外出しちゃったり、
ワカメが、お客様に持っていくはずのおはぎを
友達に大盤振る舞いしちゃったり、
伊佐阪先生がいるとは知らず、悪口言っちゃったり。


泥棒騒ぎもある。
サザエさんに出てくる泥棒は、
アニメもそうだけど、
いつもステレオタイプで笑える。
あんな、「私は泥棒です」と体現しているような泥棒、
普通いないよね(笑)。


当時の人々の生活も垣間見える。


サザエさんは、
ワカメの友達の母が風邪を引いたと聞いて、
当然のように家事の手伝いに行く。


私には考えられん(笑)。
自分が寝込んでいる横で、
他人が自分の家を掃除したり洗濯したりって。
あれじゃ気になって、おちおち寝てられない。
余計に具合が悪くなりそう。


そういえば、個人的にウケた事。
サザエさん一家が、
お母さんの実家に行った時、
なんと、家に野生の熊が入り込む、というシーンがある。
最近、「マタギ」やら「リメインズ」やら、
一人熊ブームになっていたので、
なんという偶然、
「また熊か!」って(笑)。
続くときは、続くものだわ。


1作目にも書いたけど、
やっぱり磯野家の表札は、
「磯野松太郎」になっている。
でも、舟は舟のようだ。
だって、軽子さんが、
「お舟ちゃん!」って呼んだもの(笑)。


評価 ★★★☆☆

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「リメインズ 美しき勇者たち」 [映画]

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〔1990年/日本〕


大正末期。
人里に下りてきて、
女だけを喰らう大熊・通称「赤マダラ」が
またも民家を襲い、若妻が連れ去られた。


マタギのリーダー・嘉助(菅原文太)と、
鋭治(真田広之)たちの5人は
赤マダラを仕留めに山に入る。
すると、そこで少女・ユキ(村松美香)と遭遇する。


1年前。
ユキが奉公先から帰ったその日、
両親と弟が赤マダラに惨殺される。
嘉助たちが赤マダラ退治に出掛けると、
ユキは、自分も連れていってほしいと懇願するが、断られ、
それ以降、彼女は姿を消していたのだ。


嘉助たちは赤マダラを仕留める事ができるのか。
そしてユキは・・・。





少し前、西村晃さんの映画「マタギ」を観て、
とても良い映画だと
感動した事を書いたけれど、
http://aomikamica.blog.so-net.ne.jp/2016-09-30
そういえば、
千葉真一さん絡みの映画で、
「マタギ」を描いた作品がある事を思い出し、
借りて、観てみた。


西村さんの「マタギ」が良かったせいで、
どうしても比べてしまう。
いけないいけない。
これは別物だと考えなくては。


両親を殺されて、
自ら赤マダラを退治するというユキに、
ちょっとイライラする。


マタギの掟で、
女は山には入れない。
すると彼女は、
髪を切っただの、
体に熊の油を塗っただの、と、
有り得ない言い訳をする。
そういう問題じゃないだろう。


そして、それでもダメだと言われると、
ワーワー泣く。


私は女だし、
女が活躍する映画は大好きだけど、
こういうのはいただけない。
女がマタギになれないのには理由がある。
そんな風にゴネられると、
かえって、「これだから女は」と
言われかねない気がする。


それから、ユキと鋭治の
「いい雰囲気」って、この手の映画に必要なんだろうか。


私はむしろ、
ユキの役は、
少年が演じた方が面白かった気がするんだけど。


このポスターのユキの姿にしたって、どうでしょ。
寒い雪山で、
真田さんは完全防備だってのに、
半裸よ、半裸。


もちろん、
それには理由があるのは分かるんだけど、
観ていて、やっぱりギョッとしたし。


それにしても、
女しか喰らわない熊て。
なんという贅沢な奴(笑)。


評価 ★★★☆☆

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「ペイ・ザ・ゴースト ハロウィンの生贄」 [映画]

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〔2016年/カナダ〕


大学講師のマイク・(ニコラス・ケイジ)は、
仕事が忙しく、
7歳の息子・チャーリーと、
なかなか遊んでやれないのが悩みの種。


ハロウィンの夜も、約束の時間に帰れなかったマイクは、
本当なら眠る時間のチャーリーを連れ、
カーニバルに出掛ける。


ところが、
手を繋いでいたはずのチャーリーが
忽然と姿を消してしまう。
「ゴーストに償って」という謎の言葉を残したまま。


1年後。
チャーリーは見つかっていないが、
マイクは、
彼が近くに来ている事を感じる・・・。





試写会で観た。


試写状を見た感じでは、
イベントは無さそうだったけれど、
急遽、ゲストが登場することになったと書かれたチラシが
入り口で配られた。


登壇されたのは、
和製ニコラス・ケイジと言われている(らしい)、
モト冬樹さん。

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※dメニューさんより


似ているのは頭部だけのような気もするが(笑)、
まぁ、モトさんご自身も「似ている」と仰っているので
そういう事にしておこう。
それに、モトさんのお話は、
滑舌がよく、ハキハキとしていて、とても聞きやすく、
楽しかった。


映画は、といえば、
ハロウィンのカーニバルで
7歳の息子を見失ったニコラス・ケイジが、
その真相を探っていくホラーで、
それなりに面白い。


人気スターマジックというのもある。
主演がニコラス・ケイジというだけで、
映画が格調高い気がするのだから、
不思議なものだ。
これが聞いた事もない、無名の俳優だったら、
印象は変わっていたのかもしれない。


どうやらケイジの息子が失踪したのは、
1679年に起こった、
魔女狩りのような事件の呪いが発端らしく、
その過去の映像も結構面白く、
見入ってしまう。


それから、ホラーとしてでなく、
ニューヨークで暮らす、
普通の家族が、
息子を失った途端、どんな風になってしまうのかという
視点で見るのも面白かった。


ケイジの妻は、
息子を見失った夫を
決して許さず、
1年後に、2人は別居していることが分かる。


なぜもっとちゃんと息子を見てくれなかったのか、
あなたさえちゃんとしていたら・・・
と夫を責めてしまう妻の気持ちは
仕方がない気がする。
これがホラーでなく、
誘拐を扱った映画だとしても、
それは変わらないだろう。


まぁ、この映画は、
夫婦の問題がテーマではないので、
2人がどうなるかは、
すぐに想像が付くわけではあるけど。


ホラーとして考えると、
それほど怖くはないけど、
むしろこの程度の方が、
気楽に観られていいのかも。
季節的にも、
ちょうど合っているのではないでしょうか。


評価 ★★★☆☆

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「サザエさん」 [映画]

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〔1956年/日本〕


磯野家の長女・サザエさん(江利チエミ)は、
高校を卒業しても、
そのお転婆ぶりに変わりはなく、
いつも弟のカツオと喧嘩ばかりで、
お母さん(清川虹子)は頭が痛い。


サザエさんは、雑誌社に採用され、
早速、作家先生の家に原稿を取りに行くが、
先生を怒らせ、
一日でクビになってしまう。


けれど、
同じビルで働くフグ田マスオ(小泉博)さんの紹介で、
探偵社の仕事が決まり、一安心。


従兄のノリスケ(仲代達矢)の見合い相手から、
ノリスケの素行調査を依頼されたサザエさんは、
実はノリスケには恋人・ミチコ(青山京子)がいる事を知り、
2人を結婚に導く。


サザエさんの心にも、
いつしかフグ田さんへの恋心が芽生え、
クリスマスに彼を自宅に招待するが・・・。





日本人なら誰もが知っている
国民的アニメ「サザエさん」の実写で、
サザエさんを演じているのは、江利チエミさん。


奇しくも、昨日と一昨日、
江利さんの元旦那様の高倉健さんの映画の
感想を書いたばかり。
狙ったわけでは全くなく、
本当に偶然なのだけれど、
これも何かの縁かと思わずにはいられない。


お転婆で、元気いっぱいのサザエさんの役が、
江利さんにピッタリで、
気楽に観ていられる。
磯野家の雰囲気は、
基本は今のアニメと同じだけれど、
アニメのお母さんが、とても控え目なのに対して、
こちらはちょっと存在感が大きいかな(笑)。


そういえば、サザエさんのお父さんの名前が
アニメでは(原作でも?)「波平」なのは
皆様ご存じの事と思うけれど、
この映画の表札には「松太郎」と書かれている。
一時停止して確認したから間違いないと思う。
なぜそうなったのか、理由は分からないけれど。


色々可笑しい場面はあるけど、
私が一番好きなのは、
ノリスケの結婚式に出掛ける前の、家族の騒動。
せっかく紋付き袴に着替えたお父さんなのに、
足袋がなくて、
モーニングに着替えたら、
今度は靴下がないとか、ドタバタドタバタ。


こんなサザエさんだけど、
最後は胸キュンよ。


クリスマスの家族パーティに、
フグ田さんを招待したサザエさんだけど、
彼は時間になってもやって来ない。


がっかりして、一人二階に上がったサザエさんを、
カツオが呼びに来る。
「お姉ちゃん、サンタクロースみたいなお客さんだよ」、と。


うわー☆
まるでユーミンの「恋人がサンタクロース」の歌詞を地で行くような展開。
まさか「サザエさん」で、
こんな展開が待ってるなんて思いもしなかった。
ラストの大団円な感じもいい。


評価 ★★★☆☆

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「流星空手打ち」 [映画]

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〔1956年/日本〕


沖縄空手の名越流師範・名越義仙(山形勲)から破門されてしまった、
忍勇作(高倉健)。


忍は、体育展のため、東京に出てきていた
名越の後を追って上京するが、
会う勇気が出ない。
仕方なく、ルンペンの仲間となり、
糊口をしのぐ日々。


そんなある日、
不良たちに絡まれていた、
酒屋の息子・鹿島耕三を助けた事がきっかけで、
酒屋で働きながら、
夜学に通うようになる。


忍に恨みを抱く知倒流の赤田や恒子も
東京に出てきており、
忍を倒す機会を伺っていて・・・。





「電光空手打ち」の続編。


前作で、東京に発つ名越義仙を
沖縄で密かに見送った忍勇作であるけれども、


場面がいきなり東京になっていたので、
「あ、来たね」と思う。
しっかし、東京に来てくれたのは嬉しいが、
いきなりルンペンになっていた、
という設定に驚く(笑)。


何もルンペンにならなくたって、
バイトでもすればいいのに・・・
というのは現代の感覚か。
当時はanもバイトルもないだろうしね(笑)。


でも、大丈夫。
助けた学生が酒屋のボンボンという、
映画らしいラッキーさで(笑)、
何とか助かる忍さん。


しかも、忍さんったら、
モテモテよ(笑)。


酒屋の娘に惚れられ、
近所の芸者に惚れられ、
知倒流の恒子だって、何だかんだ言ってるけど、
実は惚れているのが丸わかりだし、
沖縄から来ている、
恋人の志那子は、必死で彼を探しているし。


まったく、
そんな場面ばかり気にしていないで、
肝心の空手を見ろよって話だけど(笑)。


話の流れは、
前作と、そう大きくは変わらないので、
まぁ、いっかって(笑)。


評価 ★★★☆☆

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