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「めくらのお市 みだれ笠」 [映画]

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〔1969年/日本〕


賞金稼ぎをしながら旅する、
盲目の女・お市(松山容子)は、
ある日、瀕死の侍から、
一本の巻物を託される。
「これを、蘭学者・室伏鉄斎先生に渡してほしい」と。


その後、
この巻物を狙っているらしい刺客から、
何度も襲われるお市。
その度に切り抜けるが、
ついに、一人の浪人・榊弦之介(伊吹吾郎)に
巻物を奪われてしまう。


実は弦之介は鉄斎の弟子で、
他の刺客とは違うと知ったお市は、
弦之介と共に、鉄斎の住む野洲を目指す事にする。


野洲に到着したお市と弦之介。
すると、鉄斎の美しい娘・琴江が、
弦之介の帰りを待ちわびていたように、
彼の胸へ。
その時、お市は・・・。





「めくらのお市」シリーズ、第三弾。


はぁ。。。
これは辛い。
なんという事か。


松山容子さん演じる、主人公のお市は、
託された巻物を持って、
浪人・榊弦之介と旅をするわけだけれど、


弦之介と一緒にいるうちに、
自然に彼に、恋心を抱くようになるんだな。
途中まで一緒に旅したカップルからも、
「2人は仲のいい夫婦(めおと)みたいだ」とからかわれたりして。


だから、目的の地に着いた時、
弦之介を待っている女性がいる事を知った時の
お市の気持ちったら。
その時の、松山容子さんの、
辛い表情の演技に涙が出た。
すごく上手いと思い、
観終わったあと、そこだけもう一度観た。
(辛いなら、観なけりゃいいのだが(笑))


嫉妬の気持ちって、不思議だ。
他の感情とは全然違う。


日々の生活の中で、
嬉しい、悲しい、楽しい、辛いなどの感情は、
頻繁に心に湧き上がってくる。


でも、嫉妬の感情は、
普段は心の奥に隠れている。
自分にそんな感情がある事さえ忘れていて、
他人が嫉妬に狂う様子を見て、
滑稽に思う事さえある。


あー、でも、
気付く瞬間があるのよね、
自分に、こんなにも醜く苦しい感情があるんだって事に。


お市があの瞬間、
そこまで激しい嫉妬の念に駆られたかは分からないけど、
持って行き場のない感情に、
立っているのもやっとだったのではないのかと、
私はそんな風に想像する。
現に彼女は、
その場に居たたまれず、
逃げるように立ち去る。


松山容子さんの殺陣が素晴らしいとか、
馬にも乗れるんだとか、
見どころはいっぱいあるはずなのに、
何なんだ、この感想は。
もっとちゃんと書けよって(笑)。


評価 ★★★★☆

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