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「64 ロクヨン 前編」 [映画]

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〔2016年/日本〕


昭和64年。
群馬県のある町で、
小学1年生の女の子が誘拐され、
身代金要求の電話が入る。


父親は、現金を持って、
犯人の指示で一日中奔走し、
警察はその後を追い、
なんとか逮捕に漕ぎつけようとする。


しかし、彼らの努力も空しく、
身代金だけが奪われ、
娘は遺体となって発見される。


平成14年。
当時、事件の捜査に当たっていた刑事・三上(佐藤浩市)は、
広報室に移動していた。


時効まであと1年に迫った今、
三上はあらためて、事件解決に動き出すが、
彼の知らなかった事実が露呈され、
また、記者室との確執や、
キャリアとの軋轢、
私生活での苦悩などが彼を悩ます・・・。





試写会で観た。


もう「試写会で観た」と書くのはやめようかと思ったのだけれど、
そうなると、
「公開前なのに、なぜもう観たんだ?」と思われる方が
出てくるかもしれない。
まぁ、こんな与太ブログで何を書こうが、
世間には全く影響のない事ではあるけれど、
やっぱり、一応書いた方がいいのかな、と思い、
これからも書きます(笑)。


この映画は「前編」ということで、
「つまりは、『後編』は自費で観ろと?」と、
一緒に行ったyonta*さんと大笑いしたのだけれど、
帰りにお土産として、
「とんかつ和幸」さんの500円分のお食事券をいただいたので、
「わかった、わかりました、後編もちゃんと観ます」と
誓った次第(笑)。


で、この映画。
タイトルの「ロクヨン」というのは、
昭和64年という意味だ。


昭和天皇が1月7日に崩御されたので、
たった1週間しかなかった昭和64年。
その1週間の間に起こった、
少女誘拐殺人事件を追う刑事と、
昭和64年から永遠に取り残されたように暮らす、
遺族の物語。


といっても、
「前編」では、事件の解決と直接結びつくような
話はなく、
警察内部の問題が、
大きくクローズアップされた内容。


特に、警察の隠蔽体質の実態が
大きく扱われて、
記者クラブに常駐する記者たちの苛立ちはハンパなく、
広報室の佐藤浩市は苦慮する。


佐藤浩市だって、好きで隠蔽しているわけではなく、
上からの圧力で仕方なく、なんだけど、
広報室にいる以上、
記者たちの怒りを受け止めるのは彼しかおらず、
痛し痒しな面がある。


その隠蔽は、
「ロクヨン」でも起こっていた事が分かる。
事件の真っ最中に、
ある出来事が起こり、
そんな事が世間に知れたら大事になると判断した上司が、
若い部下たちに箝口令を敷く。


部下たちは、
いまだにその事を引き摺り、
悩み、苦しんでいる。
昭和64年に取り残されているのは、
遺族だけでなく、彼らも同じだ。


佐藤浩市は私生活も、
大きな問題を抱えている。
当たり前の事だけど、
刑事だって一人の人間なんだと
あたらめて思い知る。


「後編」では、
それらの問題が、
解決してゆくのだろうか。
なんだか楽しみ。
6月まで内容を忘れないようにしなくちゃ(笑)。


評価 ★★★★☆

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