SSブログ

「旅情」 [映画]

ryojo.jpg
〔1959年/日本〕


華道の家元で、その美貌でも知られる山本富士子は、
恋人・川崎敬三から求婚されるも、
仕事を捨てる事ができず、
川崎は一人ハワイに転勤してゆく。


ニューヨークの展覧会で大成功を収めた山本は、
帰路、ハワイに立ち寄る。
ハワイで盛大に迎えられた彼女だが、
心は、この地に住む川崎の事だけ。


山本のガイド兼通訳を、
日系3世の野添ひとみがする事になる。
野添は明るく、闊達な女の子で、
山本とすぐ気が合った。
野添は、現在はハワイ大学の学生だが、
来年、フィアンセと結婚すると言う。


川崎が山本のホテルにやって来た。
彼との再会を熱望していた山本は、
彼の胸に飛び込み、
ついに2人は結ばれる。


翌日、野添の家に招待された山本は、
彼女の家族から大変な歓迎を受ける。
そして、野添がフィアンセの写真をもってきた。
その写真を見た山本は、
ガーーーーーン!・・・。





現在のラピュタ阿佐ヶ谷のテーマは、
「芸に生きる」。
映画の主人公が、
何らかの芸で身を立てているという作品の特集で、
この「旅情」の山本富士子さんも、
華道の家元という設定。


しかし、そんなことはさして重要ではなく、
恋愛だけが全ての、
コテコテのメロドラマ(笑)。


山本さんも、川崎敬三さんも、
自分たちの悲恋に酔いすぎ(笑)。
僕たち、私たちって不幸ね、と言わんばかりに、
メソメソした場面が多い。


せっかくのハワイなんだから、
もっと明るく、パーっといこうよ、と、
観ているこちらは言いたくなるけど、
そういうわけにはいかないらしい。


ネタばれしちゃうけど、
ラストは、障害が一つも無くなる。
2人が結婚したって、
誰に咎められる事もない。


なのに、
「私たちは結ばれない運命なのよ」と、ヨヨヨと泣き崩れる山本さん。
意味がわからん。
そんなに好きだったら、
私だったら絶対彼と一緒になるわ(笑)。


野添ひとみさんが、
めちゃくちゃキュート。
本当にハワイで育った女の子みたいに、
手足がスラーっとしていて、
のびのびしている。


川崎さんの役を、川口浩様が演じたらどうだろうとも思ったけど、
やっぱり駄目かな。
前にも書いたけど、
童顔の浩様と、
山本富士子さんの組み合わせだと、
なんだか姉と弟という風情になってしまって、
しっくりこない。
ここは川崎さんで良かったんでしょうな。


評価 ★★★☆☆

nice!(55)  コメント(6)  トラックバック(0) 
共通テーマ:映画