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「花の慕情」 [映画]

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〔1958年/日本〕


司葉子はその華道の才能から、
新葉流の師匠として弟子を多数取り、人気は高まるばかり。
しかし、控え目な性格のため、
目立つ事は好まない。


義理の母・杉村春子は、
新葉流の跡取りは、司の弟と決めており、
司もそれを承知していた。


ところが、その弟が、
友人と雪山に行き、雪崩に遭って死んでしまう。
杉村は、息子が死んだのは、
山を教えた友人の兄・宝田明のせいだと責め、
宝田の母とも対立してしまう。


司と宝田はいつしか惹かれ合い、
結婚を意識するようになるが、
杉村からも、宝田の母からも、
猛反対されてしまう。


司は病気になった宝田を、
別荘の泊め、看病するが、
そのようなだらしのない女は、
華道の家元に相応しくないとの
怪文書が流され・・・。





華道の家元として生きるか、
結婚するかで逡巡する女の物語。


何も片方だけと拘らず、
両方取ればいいじゃんと思ってしまうけど、
事はそんなに簡単ではないようで、
私のようなガサツな女には理解できない世界らしい(笑)。


まず大きな障害は、
粗筋にも書いた通り、
母親同士のいがみ合い。
杉村春子さんは、息子の死を、
宝田明のせいだと決めてかかって、
司さんと宝田さんが結婚するなんて、
問題外といった感じ。


それから、大きな花屋を経営する、
千秋実の存在がある。
こやつは司さんに惚れていて、
なんとかモノにしたいと考えているのだけれど、
その言い草が憎たらしい。


なにせ、
司さんのお家や別荘は、
元々は自分の父のものだ、
自分と結婚しないなら返せ、だと。
それって脅迫じゃん。
そんな事をして女を手に入れたって、
何が嬉しいんだかさっぱり分からない。


よくは知らないけど、
華道っていうのは、
人の心を清らかにしたり、
穏やかにするものなんじゃないの?
なのに、怪文書が流れたり、
変な噂が広まったり、
本来の目的と逆を行っちゃってる。


司さんが、どの場面でもお着物を着ていて、
和服っていいな、と思う。
私もちょっとしたお出掛けの時に、
和服を着てみたいなぁと思う事がある。
思うだけで実行した事はないんだけど。


評価 ★★★☆☆