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「幸せをつかむ歌」 [映画]

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〔2015年/アメリカ〕


売れないバンドのボーカル・リッキー(メリル・ストリープ)は、
実は、歌の為に、
夫・ピート(ケビン・クライン)と3人の子供を捨てた過去がある。


ある日、彼女は、
ピートからの連絡で、
娘のジュリー(メイミー・ガマー)が、
夫に浮気された挙句、捨てられ、
不安定な状態になっている事を知らされる。


20年ぶりに、夫の家を訪ねたリッキーは、
ジュリーから罵倒される。
「自分たちを捨てたあんたは、母親じゃない」と。


一夜明け、多少落ち着きを取り戻したジュリー。
ピートは2人の息子に連絡し、
久し振りに家族5人が顔を合わせる。


リッキーは、なんとかジュリーに笑顔を取り戻させるため、
尽力するが、
しかし、ピートの現在の妻・モーリーンから、
「帰ってほしい」と言われてしまう・・・。





メリル・ストリープが、
中年女ロッカーを演じるというので、
観る前は多少(かなりか(笑))不安があったのだけれど、
全く違和感なく観られた。
さすが、大女優は、
どんな役でもこなせるって事ね。


家族を捨てた母親を
子供たちが許せないのは仕方ない。
それにしても、
リッキーは、なぜ、
子供を3人も生んだあとに、
歌手になりたいと思ってしまったんだろう。


というのも、
元夫のピートは、
大変な金持ちのようで、
大きな邸宅に住んでいる。
(街全体の入り口に守衛さんがいるくらいの!)
もしもリッキーがピートの妻であり続けたら、
何不自由のない生活を送れていただろうにと思ってしまう。


いや、きっと彼女は、
そんな事以上に、
歌に魅了されてしまったのだろう。
人生の時間は、みんな平等、
一人に一つだけ。
あちらを選べば、こちらは手離さざるを得ない。
それは当たり前の事。


それでも、
自分の娘がピンチになれば、
なんとか娘に元気になってほしいと、
彼女なりの方法で、
頑張る様子がめっちゃいい。


元夫の新しい妻・モーリーンも、
家族を思う気持ちはリッキーに負けてはいない。
だから彼女に怒りをぶつける。
むしろ、それはありがたい事だ。
モーリーンが、
「実の母の方が何かと解り合えるだろうから、お願いするわ」
なーんて言う女だったら、
私にはその方が信用できない。


映画が始まって、
俳優さんたちの名前がスクリーンに映し出された時、
「リック・スプリングフィールド」の名前を見てビックリ。
「これって、”あの”リック・スプリングフィールド?」って。


どの役だか、見逃さないようにしなくちゃと思って、
気を付けていたら、
ストリープの恋人役の男がそれらしい。
・・・と、ここまで書いて確認したら、
え!?現在67歳?嘘でしょ?
メリル・ストリープの、
ずっと年下の恋人という設定なんだと思ってた。
人気絶頂の頃はすでに、
ある程度、年食ってたという事なのね。


昔、リックはインタビュアーから、
「あなたはそのルックスで得していると思いませんか?」みたいな、
失礼な事を言われた記事を読んだ事がある気がするけど、
そんな彼も、今はすっかりオッサンなのね。
いや、カッコいいオッサンだけど(笑)。


久し振りにyoutubeでリックの、
「Love Somebody」を聞いたけど、
今聞いても悪くない。
こんな事でもなければ、
彼の曲を聞こうなどとは、
思いもしなかっただろう。


映画全体がロックテイストで、
なかなか面白かった。


評価 ★★★★☆

「虹蛇と眠る女」 [映画]

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〔2015年/オーストラリア〕


オーストラリアの砂漠地帯で暮らす、
マシュー(ジョセフ・ファインズ)と、
キャサリン(ニコール・キッドマン)、
そして15歳の長女・リリーと、
小学生の長男・トミー。


彼らは、この地にやって来たばかり。
なぜなら、今まで住んでいた都会で、
リリーがある事件を起こし、
引っ越しせざるを得なくなったのだ。


そんなある日、
リリーとトミーが、
忽然と姿を消してしまうという事件が起こる。


マシューたちと警察は、
懸命に2人を探すが、
手懸りさえ得られず、
時間ばかりが過ぎてゆく。
この砂漠地帯で屋外で2・3日を過ごせば、
死に至ってしまう。


近所の人々は、
両親が子供たちを殺したのではと噂し始め、
キャサリンは次第に
精神を蝕んでゆく・・・。





「神隠し」。
日本にもこの言葉があるように、
オーストラリアのアボリジニの伝説にも、
虹の蛇が子供を飲み込むという
言い伝えがあるそうだ。


ある日、突然、
人が理由もなく消えてしまう。
日本でも、実際にそのような事件があるし、
昔はテレビでも、
行方不明になった子供を探すという
特集番組があり、
観ていて、背中がゾッとした事を思い出す。


もちろん、人がいなくなるからには、
そこに必ず理由があるはずで、
「神隠し」のような、
オカルト的な事はないと私は思うし、
この映画にしても、
「虹の蛇に飲み込まれた」というのは、
単なる伝説にすぎない。


というのも、
行方不明になったリリーは、
ニンフォマニアとしか言いようがない少女で、
それは、性に目覚めたとか、
早熟などという言葉では言い表せないほど、
性的欲求が強い。


こういう女の子って、確かにいる。
それはもう、
持って生まれた気質といった感じで、
親に叱られたからとか、
他人に蔑まされたからとかで、
どうにかなるものではない気がする。


物語が進むにつれ、
リリーの過去や、日頃の行動が分かってくる。
ここには詳しい事は書かないけれど。


理解不能な場面も多く、
「そのシーン、必要?」と思う部分も多い。
ネットでも賛否両論あるようだ。


でも、私は、この映画好きだな。
元々、「神隠し」のような事件を、
解決する物語が好きだし、
何より、雰囲気がいい。
いつもの私なら、納得がいかないであろう場面も、
なんだか許せてしまった。


評価 ★★★★☆

高田馬場のフクロウカフェ「HOHO」へ [できごと]

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先日の、ぼんぼちぼちぼちさんのオフ会の時、
NO14Ruggermanさんから、
高田馬場のフクロウカフェのお話を伺い、
「もう絶対、行ってみなければ!」と、
友人が遊びに来る予定の13日を、
大変に楽しみにしていました。


で、13日。
NO14Ruggermanさんから教えていただいた
フクロウカフェ「パクチーバル」に行ったのですが、
お店がとても混んでいて、
30分待ちとの事。


せっかく友人が来たのに、
30分も待つのは申し訳なく、
また別の機会にしようと、
早稲田通りを歩き出しましたら、
別のフクロウカフェ「HOHO」を発見!


「HOHO」は、
お店が地下にあって、目立たないせいか、
お客さんが誰もいなかったので、
すぐに入りました。


カウンター席の前がガラス張りになっていて、
その向こうに、フクロウが8羽いるスペースになっています。

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オーナーさんから、
「トトロ」はフクロウをモデルにしていると教えていただきました。
私は「トトロ」もそうですが、
種類によっては、
映画「グレムリン」の、
グレムリンに変身する前のモグワイにも
ちょっと似ていると感じたり。

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お茶をしたあと、
いよいよ、フクロウスペースへ、
オーナーさんと一緒に入ります。


ふくろうは、頭をなでてあげると喜ぶとのことで、
そのようにしましたが、
なんだか、ちょっと緊張。
考えてみると、
私は、フクロウに限らず、
鳥に触った事が、今まで一度もない気がして。


その後、皮の手袋を貸していただいて、
手にフクロウを乗せました。

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※オフィシャルページより



レジの横にいたフクロウです。
この種類の子は大きさも手頃で、
ペットショップでも一番の人気なのだそうです。

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とても楽しい体験でした。
フクロウは猛禽類ですが、
意外と大人しく、可愛かったです。
もう一度行ってみたいな。

「情無用の罠」 [映画]

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〔1961年/日本〕


三郎(佐藤允)は、
ヤクザ者で前科者だった過去から足を洗い、
今は、土建会社の森島(平田昭彦)の下、
トラック運転手として、真面目に働いている。


三郎には、本気で惚れている女がいた。
彼女とはもう何度か会っているが、
連絡をくれるのは彼女の方からだけ、
名前は「橋本」という苗字しか知らない。


そんなある日、
工事現場で、若い女が殺される。
女のコートの内側には、「橋本」と刺繍されており、
そばに、トラックのミニカーが落ちていた。
それは三郎が、「橋本」にプレゼントしたものだ。


三郎は警察に連行され、
遺体を見せられる。
しかし、それは、三郎の惚れている「橋本」ではなかった。


「このままでは殺人犯にされてしまう」。
証拠不十分で釈放された三郎は、
事件の夜、
ホテルで一緒に過ごしていた「橋本」に
自分のアリバイを証明してもらうため、
「橋本」を紹介してくれたバーテン・木村を訪ねるが・・・。





主演の佐藤允さんが
暴れん坊っぷりを発揮する本作。


ものすごく荒削りで、
力強くて、
土砂などを運ぶトラックの運転手という役が
ぴったりハマっている。


そして、佐藤さんを上回る演技で魅了するのが、
「橋本」役の、水野久美さん。


謎の女・水野さんは、
佐藤さんを夢中にさせているけれど、
実は家に帰れば、
寝たきりの夫がいて、
そのためにコールガールをしている。


この夫ってのが、とっても優しくて、
「こんな自分とは別れてほしい」と水野さんに言う。
そんな風に言われたら、
かえって別れられないないじゃないか。
水野さんは、佐藤さんを好きになり始めているけれど、
夫を捨てる事もできない、
哀しい女を好演。


佐藤さんと刑事が、
工事現場の砂利の上で対峙するとき、
誰かが、あるスイッチを入れる。
すると、砂利がどんどん沈んでゆくのだけれど、
その様子は完全に蟻地獄。


刑事はどんどん砂利の中に沈んでゆき、
必死で助けようとする佐藤さんも危険な状態に。
見ているだけで恐ろしい。
色々な恐怖があるけれど、
蟻地獄に落ちるというのも、
恐怖のランキングの上位に入るのではなかろうか。


田中邦衛さんが悪役で出てくるのだけれど、
彼がどんなに悪ぶっても、
なんだかコメディにしか見えないのは、
長年培ってきた
現在のイメージのせいかもしれない(笑)。


評価 ★★★☆☆

「検事霧島三郎」 [映画]

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〔1964年/日本〕


検事・霧島三郎(宇津井健)は、
婚約者・竜田恭子(霧立はるみ)の父で、
高名な弁護士・慎作(菅井一郎)が、
殺人の容疑者になった事で苦悩する。


恭子を深く愛する三郎は、
慎作が本当に犯人だったら、
検事を続ける事はできないと、
辞表を提出するが、
上司の森(宮口精二)につき返される。


なんとかして、
行方不明になっている慎作を探し出し、
真犯人を捕まえるしかない。
三郎は焦るが、
第二の殺人事件が起こってしまう。


また、
三郎と恭子が二人だけで会う事は
絶対にいけないと森に釘を刺され・・・。





私はテレビドラマについては、
あまり詳しくないのだけれど、
この「検事霧島三郎」は、
映画化は1回だけれど、
ドラマ化は何度もされているらしい。
原作が、それほど面白いという事なのだろうか。


ウィキペディアを見ると、
90年代のドラマ版では、
恭子の名字が霧島になっているから、
二人は結婚したという事が分かる。


とはいえ、この恭子さん、
私が霧島検事だったら、
「嫁にするにはちょっと・・・」と思ってしまいそうで(笑)。


というのも、
恭子さんは、すぐ人に騙される。
「なんでそんなチンピラの言う事を信じるの?」と
言いたくなるような男に
ノコノコついていって、
貞操を奪われそうになったり。


「変だな」と思ったら、
まず人に相談する。
それは詐欺に騙されない為の基本よ。
恭子さんが年を取ったら、
振り込め詐欺の被害に遭いそうで心配だわ(笑)。


ストーリーも、
まぁ、普通。


麻薬だ、海外逃亡だ、と、
ラストまで、
ずっと引っ張ってきて、
結局、真犯人と動機はそれかよ、って(笑)。
まぁ、ちょっとした伏線はあったから、
もしかして、とは思ったけど。
ちょびっと豪華な2時間ドラマといった感じ。


評価 ★★★☆☆