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「東京の恋人」 [映画]

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〔1952年/日本〕


原節子は、似顔絵描きの女の子。
靴みがきの少年3人と、
同じ場所で、お客さんを待っている。


原が仕事をする場所には
宝石店があり、
ウィンドウには、50万円のダイヤの指輪が飾られている。
しかし、宝石店の主人は、
本物を飾っておくのは不用心だからと、
ウィンドウ用の偽物を、
職人の三船敏郎に作らせる。


宝石店の上の階にある、
パチンコ玉製造販売の会社社長・森繁久彌は、
愛人に、
ウィンドウのダイヤの指輪をねだられ、
偽物の方を本物と偽り、
買ってやる。


それを知った、森繁の妻・清川虹子は怒り狂い、
本物の指輪を森繁に買わせる。
そして愛人から取り上げた偽物の方を、
会社の事務員にやってしまう。


ところが、実は事務員の手に渡った方が本物であり、
しかも彼女は、
勝鬨橋の真ん中に
指輪を落としてしまう・・・。





笑った笑った。
劇場内も笑い声が絶えなかった。


何が可笑しいって、
森繁久彌さんと清川虹子さんのやり取りが、
まるでコントか漫才。


焼きもち焼きの清川さんは、
森繁さんの愛人が来ている会社に乗り込んで、
大暴れ。
パチンコ玉を投げつけて、
そこらにある物から、ガラス窓まで
全て壊してしまう。


森繁さんは慌てるし、
社員たちは呆然。
今では見飽きたようなコントだけど、
映画で観ると本当に可笑しい。


主役は原節子さんと三船敏郎さんなんだけど、
森繁・清川コンビが強烈すぎて、
食われてしまってる感じ(笑)。


最初から最後まで、
物語は指輪を巡るエピソードに終始しているけれど、
今の私が、
「指輪」と聞くだけで、
悲しい気持ちになるのは、
先日、ここのレビューで書いた通り。
http://aomikamica.blog.so-net.ne.jp/2015-11-28


この映画の指輪は、
勝鬨橋の真ん中に落ちて、
橋が上がった時、
隅田川にポトリと落ちてしまう。
あぁ、なんて悲しいんだろう。


映画では、
欲深い森繁さんと清川さんが、
ダイバーを雇って、
川底をさらう。
それがまた可笑しくて、劇場内は大受け。
私も、悲しいながらも、
思わず笑ってしまった。


私の指輪はまだ見つかっていない。


評価 ★★★★☆

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