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「如何なる星の下に」 [映画]

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〔1962年/日本〕


東京の下町でおでん屋を営む山本富士子。
彼女の父・加東大介は働こうとはせず、
山本の金で麻雀ばかり。
母・三益愛子は何も言えず、ただオロオロしている。


山本は、近所の雑誌社に勤める池部良に、
密かに片思いをしている。
池部の方も、
山本を憎からず思ってくれていると確信している。


そんな中、山本の元夫・森繁久彌が、
大阪から出てくる。
森繁は生活力のない男だったが、
今度こそきちんとやり直すから、
一時的に金を貸してほしいと言ってきたのだ。


ある日、山本は、
実は池部が山本の妹・大空真弓に惚れているという噂を聞き、
大変なショックを受ける。


あまりのショックに、山本は、
森繁と再会し、一線を越えてしまう。
ところが森繁は、山本と関係したですっかり口が軽くなり、
山本から借りた金を、
詐欺の穴埋めに使い果たしたと告白する・・・。





山本富士子さんの、
どうしようもない不幸な女の物語。


山本さんの薄幸ものといえば、
芸者だったり、
商家の娘だったりといった作品は
観た事があったけれど、
このような現代劇はちょっと思い出せない。


彼女を取り巻く人々、
特に男たちはどうしようもない奴ばかり。


父は傷痍軍人を言い訳に、
ギャンブルと酒ばかりだし、
山本さんが密かに恋する池部良は、
ロリコンみたいに、
若い大空真弓に夢中で、
ワンピースを買ってやったりする。


そして極め付けが森繁さん。
こやつはもうどうしようもない。
口が達者で、
彼が話す事はなんとなくもっともらしく聞こえるのよ。
さらにちょっと哀れっぽいものだから、
何だか言う事を聞かないと、
可哀相な気分になってくるんだな。


それを演じる森繁さんの上手いこと上手いこと。
本物の詐欺師にでもなったら、
相当儲けられたよ、この人は(笑)。


もし本当に山本さんが
森繁さんのような男と二度と関わり合いたくないと思ったら、
会っては駄目だと思う。


会えば、必ず上手い言葉で
言いくるめられてしまう。
無視よ、完全無視。
それ以外に、彼から逃れられる道はない。


ビックリなのは植木等さん。
彼は、山本さんのすぐ下の妹に手を出して、
飽きるとポイ捨て。
植木さんって、
こんな嫌な男の役も演じていたのね。


「スーダラ節」を口ずさむ場面は
笑ったけど。


評価 ★★★★☆

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