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「女殺油地獄」 [映画]

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〔2009年/日本〕


油屋・河内屋の跡取り息子・与兵衛(安田慎吾)は、
手の付けられない放蕩者で、
河内屋は彼を持て余している。


与兵衛は、遊女・小菊(藤川のぞみ)に入れあげ、
借金を重ねるが、
小菊は与兵衛に、
「金ではなく命がほしい」とあしらい、
相手にしない。


河内屋の分店・豊島屋の、
若主人・七左衛門(柳憂怜)と、妻・お吉(山田キヌヲ)は、
河内屋の主人から、
与兵衛の行状について相談を受け、
お吉が与兵衛を諭す事にする。


しかし、小菊に夢中の与兵衛が、
お吉の言葉に耳を貸すはずもなく、
さらに、小菊に出会ったお吉は、
女としての自分を小菊から小馬鹿にされ、
仕返しの為、
与兵衛と一線を越えてしまう・・・。





近松門左衛門原作の映画で未見の作品を、
とにかく観られるだけ観てみようと、
この間書いたけれども、
多分これで、
今、私が手に入れられるソフトは全部観た気がする。
あとは、名画座にかかるのを待つしかない。


本作は、
ここ数年、何かと芸能ニュースに名前が載る、
坂上忍氏の監督作品。
坂上氏が映画の監督をしていたなんて、
今まで全然知らなかった。


ただ、本作が面白いか、面白くないかと聞かれたら、
面白くないかなぁ(笑)。


坂上氏といい、五社英雄監督といい、
なぜ、お吉を「妻」や「母」より、「女」として描こうとするのか、
よく分からない。
そうしないと、物語が膨らまないとの考えなのだろうか。


私も原作を読んだわけではないので、
知ったような事は言えないけれど、
ストーリーを調べてみても、
与兵衛とお吉が男女関係になる事など、
有り得ない。
お吉は良妻賢母なのだよ。


遊女・小菊が、
お吉に放った、
「あなたはもう、花ではない」みたいなセリフには、
うーん、考えさせられる。


年を重ねた女は花ではないのか。
なるほど、そうなのかも(笑)。
現実でも、女同士が、
たった1歳でも年齢の差にこだわったりするのは、
それはもう、女の性なのね。


ただ、原作のお吉は、
「人格者」との設定になっているようだから、
小菊にそんな事を言われたって、
意に介さない気がするんだけど、どうなんでしょ。
たとえ腹が立ったとしても、
顔には出さないだろうし、
もしももしも、仕返しするような事があったとしても、
それは誰にも気付かれないような方法ですると思うな。


ネットでの評価も散々のようだ。
坂上氏は、自身の監督としての力量が不明なままで、
なぜ、近松作品で映画を撮ろうと思ったのか。


評価 ★★☆☆☆

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