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「月に飛ぶ雁」 [映画]

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〔1955年/日本〕


女子大生の若尾文子は、
金持ちの令嬢ではあるが、
親に内緒で、銀座のアルバイトサロンで
ホステスとして働いている。


ある日、客として来た父と鉢合わせしてしまった若尾は、
殴られ、自棄になって、
以前から彼女に迫っていた中年の客と、
熱海で一泊してしまう。


熱海では、客とは別の部屋を取ったのだが、
両親はそれを信じてくれず、
傷ついた若尾は、
知り合いの自動車ブローカーの青年・小泉博のマンションに行き、
一線を越えてしまう。


そのまま小泉のマンションで同棲を始めた若尾。
新婚気分で浮かれていたが、
ある日、父が訪ねてきて、
小泉が警察からマークされている事を知らされ・・・。





映画がそこそこ面白いのと、
主人公に共感できるのとでは、
まるで意味が違う。


この映画こそ、
まさにその典型。
若尾さんは大好きだけど、
若尾さんが演じる、主人公の女の子の生き方は、
「どうなのよ」という思いで、少し呆れる。


今で言う所の、
キャバクラのような店でホステスをする若尾さんは、
その事を親に叱られたという理由で、
酒のがぶ飲みし、
どう見ても体目当ての中年のおっさんに、
いつの間にか、車で熱海に連れていかれている。
危ないったらありゃしない。


親に叱られて自棄になるって、
それ自体がまるで子供。
それなら、
恋人と喧嘩した腹いせに、
他の男と一線を越えるという方が、
まだマシな気が。
(マシというだけで、良い事とは言わないが(笑))


それ以外にも、
彼女の行動は、全てが親基準。
いっぱしの事を言ってはいても、
結局親の庇護から、全く抜け出せてはいない。
ただの我儘な小娘。


それにいつも、他人を巻き込む。
友達の親にアリバイ工作を頼んだり、
辛い事があると、
友達に、「どこかへ連れてって」と泣き付いたり。


私も10代の頃は、
こんなだったのかなぁ。
自分で自分の事はよく分からないや。


まぁ、よい。
未見だった若尾さんの映画を観られて満足。


評価 ★★★☆☆





若尾文子さんの映画全制覇を目指している私ですが、
この作品で160本の出演作中、99本を観た事となりました。
もう自己満足以外の何物でもないのですが、
この先、若尾さんの映画を観たら、
リストを載せていこうと思います。
(★は観た作品)


★春の雪 (2005)
 竹取物語 (1987)
 ある映画監督の生涯 溝口健二の記録 (1975)
 幻の殺意 (1971)
★男はつらいよ 純情篇 (1971)
★スパルタ教育 くたばれ親父 (1970)
 座頭市と用心棒 (1970)
★天狗党 (1969)
★千羽鶴 (1969)
★濡れた二人 (1968)
★積木の箱 (1968)
★不信のとき (1968)
 鉄砲伝来記 (1968)
★華岡青洲の妻 (1967)
★砂糖菓子が壊れるとき (1967)
★妻二人 (1967)
★夜の罠 (1967)
★雪の喪章 (1967)
 処女受胎 (1966)
★赤い天使 (1966)
★雁 (1966)
★氷点 (1966)
★処女が見た (1966)
★刺青 (1966)
★妻の日の愛のかたみに (1965)
★不倫 (1965)
★清作の妻 (1965)
★帯をとく夏子 (1965)
 女めくら物語 (1965)
★波影 (1965)
★花実のない森 (1965)
 幸せなら手をたたこう (1964)
 悶え (1964)
★卍(まんじ) (1964)
★獣の戯れ (1964)
★傷だらけの山河 (1964)
★「女の小箱」より 夫が見た (1964)
★温泉女医 (1964)
★新・忍びの者 (1963)
★越前竹人形 (1963)
 女が愛して憎むとき (1963)
★わたしを深く埋めて (1963)
★女系家族 (1963)
 八月生れの女 (1963)
★雪之丞変化 (1963)
★しとやかな獣 (1962)
★秦・始皇帝 (1962)
★瘋癲老人日記 (1962)
★その夜は忘れない (1962)
★やっちゃ場の女 (1962)
★仲よし音頭 日本一だよ (1962)
 閉店時間 (1962)
★爛(ただれ) (1962)
★雁の寺 (1962)
★家庭の事情 (1962)
★妻は告白する (1961)
★新源氏物語 (1961)
★銀座のぼんぼん (1961)
★女は二度生まれる (1961)
★女の勲章 (1961)
 東京おにぎり娘 (1961)
★好色一代男 (1961)
★お嬢さん (1961)
★婚期 (1961)
★花くらべ狸道中 (1961)
★銀座っ子物語 (1961)
 素敵な野郎(1961)
 鎮花祭 (1960)
★偽大学生 (1960)
★安珍と清姫 (1960)
★勝利と敗北 (1960)
★ぼんち (1960)
★からっ風野郎 (1960)
★女は抵抗する (1960)
★女経(じょきょう) (1960)
★初春狸御殿 (1959)
★浮草 (1959)
 実は熟したり (1959)
★美貌に罪あり (1959)
 花の大障碍 (1959)
 次郎長富士 (1959)
★氾濫 (1959)
★山田長政 王者の剣 (1959)
★薔薇の木にバラの花咲く (1959)
★最高殊勲夫人 (1959)
★あなたと私の合言葉 さようなら、今日は (1959)
 新婚七つの楽しみ(1959)
 母(1958)
★娘の冒険 (1958)
★夜の素顔 (1958)
 嵐の講道館(1958)
★一粒の麦 (1958)
★息子の結婚 (1958)
★口笛を吹く渡り鳥 (1958)
 愛河 (1958)
★忠臣蔵 (1958)
 螢火 (1958)
 東京の瞳 (1958)
 妻こそわが命(1958)
★青空娘 (1957)
★夕凪 (1957)
★誘惑からの脱出 (1957)
★永すぎた春 (1957)
★朱雀門 (1957)
 慕情の河 (1957)
 続銀河の都 (1957)
★スタジオはてんやわんや (1957)
 銀河の都 (1957)
 君を愛す (1956)
 四十八歳の抵抗 (1956)
★日本橋 (1956)
★涙 (1956)
 スタジオは大騒ぎ (1956)
 あさ潮ゆう潮 (1956)
★滝の白糸 (1956)
★処刑の部屋 (1956)
 新婚日記 恥ずかしい夢(1956)
 新婚日記 嬉しい朝(1956)
★赤線地帯 (1956)
 虹いくたび (1956)
 新妻の寝ごと (1956)
 花嫁のため息 (1956)
 薔薇の絋道館 (1956)
★弾痕街 (1955)
 七人の兄いもうと (1955)
★珠はくだけず (1955)
★長崎の夜 (1955)
★幻の馬 (1955)
 娘の縁談 (1955)
★薔薇いくたびか (1955)
★月に飛ぶ雁 (1955)
 幸福を配達する娘 (1955)
★螢の光 (1955)
 勝敗(1954)
 荒城の月 (1954)
★月よりの使者 (1954)
 緑の仲間 (1954)
 浅草の夜 (1954)
 慕情 (1954)
★舞妓物語 (1954)
★酔いどれ二刀流 (1954)
 或る女 (1954)
★心の日月 (1954)
 十代の誘惑 (1953)
 無法者 (1953)
 続続十代の性典 (1953)
 春雪の門 (1953)
★祇園囃子 (1953)
 続十代の性典 (1953)
 チャタレー夫人は日本にもいた (1953)
 怒れ三平 (1953)
★十代の性典 (1953)
 彼女の特ダネ (1952)
 街の小天狗 (1952)
 秘密 (1952)
 明日は日曜日 (1952)
 花嫁花婿チャンバラ節(1952)
 母子鶴 (1952)
 猛獣使いの少女 (1952)
★死の街を脱れて (1952)