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「家族会議」 [映画]

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〔1936年/日本〕


兜町の株屋・重住高之(佐分利信)は、
大阪で暮らす仁礼泰子(及川道子)と恋仲であったが、
高之の父が、泰子の父に自殺に追い込まれたという経緯があり、
結婚は難しい。


泰子の父は再び、
今度は高之に仕手戦を仕掛けてくる。


このままいけば、
泰子は父の番頭・京極練太郎(高田浩吉)と結婚させられてしまう。
高之は株仲間の娘・清子からも思いを寄せられており、
泰子の心は不安でいっぱいだが、
高之の態度はハッキリしない。


高之はついに泰子の父のせいで、
破産の危機に瀕し・・・。





フィルムが古く音声がよく聞き取れないうえに、
どうやら映像が数箇所、切られているらしい。
株の事もよく分からないので、
あまり入り込めずに終わった。


主人公の高之が、
なんだか優柔不断で、
2人の女の間を行ったり来たり(笑)。


モテっていえば、モテるんだろうけど、
その魅力がよく分からず。


女の子の積極的な様子に驚く。
高之をどうしても自分のものにしたい清子は、
ものすごくハッキリと、
彼に逆プロポーズ。
「私と結婚してくださらない?」、と。


現代だって、
女から男にプロポーズするのは、
結構勇気が要るものだと思うんだけど、
当時のその場面は、
観客からどんな風に捉えられたのかと、
聞いてみたい感じ。


さらに、そのプロポーズを高之が断るという、
なんとも微妙な展開。
清子はショックで持っていたガラスのコップを、
握力だけで、パリーンと割って血を流す。
そして、バックにかかる大仰なBGM。


高之が経済的に追い詰められた時の、
母親の様子が興味深い。


彼がそれを母親に告げると、
彼女は、「お前に任せる」みたいな事を言い、
不安な様子は表に出さない。


夫がいる時は夫に、
夫が亡くなれば息子に、
全権を委ねる、典型的な古いタイプの女だけど、
本当はとっても強いんだろうなぁと思わされる。
不安を感じるとすぐ口に出してしまう、
私のような女とは、えらい違いだわ(笑)。


大阪の心斎橋の辺りが映るのを真剣に観てしまう。
古い東京の映像と同様、
まだ大きなビルなどもなく、
のどかな感じ。


評価 ★★★☆☆

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