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「その人は遠く」 [映画]

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〔1963年/日本〕


一浪中の山内賢は、母と2人で、
父の残してくれた屋敷に住みながら、
勉強に励んでいる。


そんなある日、
両親を亡くした遠縁の娘・芦川いずみが
山内の家に住む事になる。
年上の美しい芦川に、
山内は淡い恋心を抱くようになる。


大学に合格した山内だが、
ほどなくして、芦川に見合いの話が持ち上がり、
ショックを受ける。
相手の男は、山内の目にも品性に欠け、
芦川に相応しい男とはとても思えない。


それでも、大阪に嫁に行ってしまう芦川。
夏休みに遊びに行った山内は、
ほんの数か月の間に、
芦川まで品が悪くなったことに驚き、
早々に戻ってくる。


そんな中、山内の母親が、
路上で倒れて亡くなってしまう。
その場に居合わせた和泉雅子と
親しくなる山内だが・・・。





日活の青春ものの一つには違いないんだけど、
一人の青年の成長期として、
なかなか面白かった。


浪人中の男の子・山内賢の家に、
突然暮らすことになった、少し年上の美しい女。
勉強も追い込みだというのに、
落ち着かないったらありゃしない(笑)。


その彼女・芦川いずみは、
無邪気に夜食を作ったりして、
山内を励ますけど、
山内にしたら、気が散って仕方がなく、
むしろ邪魔になってる気がする(笑)。


山内の母親が素晴らしくて、大好き。
山内と芦川が微妙な空気になっても、
色眼鏡で見るような事は全くなく、
2人の事を心から好きで、
信頼しているように感じられる。
すんごく良い母。


山内も、爽やかな好青年だから、
いいのでしょうね。
彼は勉強が相当に出来るらしく、
母は、受験に関しても、
特別心配しているようには見受けられない。
話の流れからしても、
「大学には受かるんだろうな」、と予測できて、
安心して観ていられる。


和泉雅子が出演者になっているので、
待っていたのだけれど、
なかなか出てこない。


やっと出てきた彼女は、
山内を仄かに好きなるけれど、
そうなると気になるのが芦川の存在。
何かと対抗意識を燃やすけれど、
年上の女の魅力には勝てないのが、
観ているこちらにも分かる。


当時の東京の様子が見られるのも楽しい。
渋谷の道路が舗装されていないのにはビックリ。
まだビルが林立している様子もないし。


評価 ★★★☆☆

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