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「ヒッチハイク」 [映画]

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〔1977年/イタリア〕


ウォルター(フランコ・ネロ)とイブ(コリンヌ・クレー)は、
狩猟をしながら、アメリカを旅するイタリア人夫婦。
結婚9年になる2人は倦怠期のせいか、
仲が良いとは言えない関係。


ロスに戻る途中の山道で、
アダム(デイヴィッド・ヘス)という男の車がエンコしていたため、
車に乗せてやった2人。


最初は穏やかだったアダムが、途中で正体を表した。
彼は強盗をした後、
仲間を殺した犯人だったのだ。


銃を突き付けられ、
どうする事もできない夫婦。
アダムはイブを凌辱しようとするが、
その時、思わぬ出来事が・・・。





アメリカが舞台のイタリア映画。
そのせいで、
言葉は全てイタリア語。
変な違和感があったけど、
まぁ、逆のパターンはよくある事なので、
(英語圏でない国なのに、全員英語を話しているというような)
気にせず、話の流れを楽しむ。


このジャケットでも分かるように、
話はエロの方向に流れがち(笑)。
最初に出てくるウォルターとイブも、
とりあえず、1回交わる。


そうする事がお約束みたいな、
70年代らしい映画。
現代の映画はエロシーンが減少していると
データにも表れているようだけれど、
昔はみんなギラギラしていたのねぇ(笑)。
まぁ今は、別に映画に頼らなくても、
他の媒体が十分あるから、
お腹一杯なだけかな。


ヒッチハイカーのアダムも、
イブを見た途端、
頭の中はその事でいっぱい。
ウォルターから、
いかにしてイブを奪うか、
その事ばかりに腐心しているようだ。


もちろん、物語はそればっかりではないけれど(笑)。
途中で、ある出来事があって、
流れが変わって、
これからどうなるの?と思っていると、
また、ある出来事があって、
話が変わる。


その二転三転な感じが面白く、
結構楽しんで観てしまう。


ラストも強烈。
そうきたか、という展開。
誰にも感情移入できないけれど、
この終わり方は、
個人的には結構好きかも(笑)。


評価 ★★★☆☆

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巨人vs.横浜DeNA [スポーツ観戦]

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昨日、巨人vs.横浜DeNAの試合を観戦するため、
東京ドームに行ってきました。

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といっても、私は最近の野球はとんとご無沙汰で、
正直、選手のお名前は1人も知らなくて。
(申し訳ないです)。


そもそも、東京ドームは、
私にとってはライブをする所という認識で、
ここへ野球を観に来る事があろうとは、
思ってもいませんでした。
(重ね重ね申し訳ないです)。


あぁ、でもやっぱり、こういったイベントはいいですね。
ドームが近付くにつれ、胸のときめきが止まりません。
人が沢山集まる場所には、
不思議な魔力があるといつも思います。


席に着く前にまずは「お弁当だ!」という事で、
売店にいったのですが、

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「うわー、こんな物まであるんだー」と、
何もかもが面白くて、楽しくて、珍しくて。


この選手別のお弁当、
ファンの方は、
ご贔屓の選手の物を買うのか、
それともおかずで決めるのか、
興味深い所です。


私が買ったのは、
「帆立幕ノ内弁当」
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帆立が好きというのもありますが、
最大の理由は、
選手別のお弁当より安いから(笑)。


席に着き、
お弁当を食べながら、
試合を見始めたのですが、


その面白さったら!


特に6回に横浜DeNAが2度も満塁になり、
4点を入れたその流れには見入ってしまいました。


結局、横浜DeNAが
2:7で勝ったのですが、
今朝、YAHOOのスポーツ記事を観てみましたら、
この結果により、
珍しい現象が起こったようです。


「大珍事!DeNA、首位巨人に勝って…プロ野球初のセ界貯金なし」


そんな歴史の残るような試合を観られたのは、
運が良かったという事なのでしょうか。


横浜DeNAにとっても、


「DeNA、連敗12で止めた!中畑監督「巨人戦で止められた…涙が出る」


大変に喜ばしい試合だったのですね。


ファンの皆さんの
熱烈な応援風景も面白く、
野球を観ながら、
そちらもチェックするので忙しい(笑)。
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私は、試合内容が面白ければ、
どちらが勝ってもいいというスタンスですが、
ジャイアンツ、
横浜DeNA、
どちらのファンの方々も、大変に熱く、
「何かを本気で好き」と思える気持ちの素晴らしさに
大げさでなく、心打たれる思いで見ていました。


そうそう、チケットと一緒にいただいた、
プレゼント引換券で、
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ジャイアンツのロゴ入りタオルをもらったのですが、
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この細長いタオルは、
球場でジャイアンツ戦を観る際に首にかける以外に、
使い道があまりないような・・・。
つまりは、
「これを持って何度も応援に来い」という事でしょうか(笑)。


でも、野球観戦がこれほど面白いとは、
「もう一度行きたい!」と、今本気で思っています。
選手の皆さん、ファンの皆さん、
本当に楽しい時間をどうもありがとうございました。

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「雪崩」 [映画]

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〔1937年/日本〕


日下五郎・(佐伯秀男)と蕗子・(霧立のぼる)は、
新婚1年目の夫婦。
蕗子は幸せそうに1年前の事を思い出していた・・・。


その日、駆け落ち同然に名古屋のホテルに着いた、
五郎と蕗子。
しかし五郎は、「これは駆け落ちではない」と言い、
父に電報を打ち、自分たちの居場所を伝える。
翌日やって来た父は、大変な紳士で、
二人を叱る事なく、結婚に至ったのだ。


ところが現在の幸せそうな蕗子と裏腹に、
五郎は秘かに、幼馴染の弥生(江戸川蘭子)と会っていた。
五郎曰く、自分が本当に好きだったのは弥生で、
しかし、弥生の態度がハッキリしないせいで、
蕗子と結婚したのだと言う。


弥生はそんな五郎を、
「今更何を言うか」と受け付けず、
蕗子が可哀相だと、
他人の気持ちを慮る優しさを持っている。


その後、五郎は、
自分の気持ちを父に相談するが、
人格者の父は、
五郎の勝手な言い分を責め、
「そんな事は許されない」と突っぱねる・・・。





「雪崩」というタイトルから、
雪山の話かと思ったけれど、
そうではなかった(笑)。


「雪崩」というより、「砂上の楼閣」みたいなお話。
とにかく主人公の五郎が身勝手な男で、
ここまで手前勝手だと、
逆にお見事だと言いたくなるくらい(笑)。


1年前に駆け落ち同然で連れ出した妻は五郎を信じ、
心の底から愛してくれているというのに、
彼は1年でもう妻に飽きたのか、
恋仲だったらしい幼馴染に再び言い寄るという勝手っぷり。


これは浮気というより、
元々は妻の方が浮気相手で、
本命に戻ったというのが本当のところであろうか。


彼の家はどうやら古い時代の日本の金持ちらしい。
経済的な裏付けがあるから、
そんな勝手ができるようで、
我儘なドラ息子と言っていい。


父親は立派なんだけどなぁ。
立派な親の子が、必ずしも立派ではないという
典型的な例であろうか。


こんなアホな男でも、
取り巻く女たちがしっかりしているから、
物語が成り立つ。


まず彼の妻は、
性格の大人しい女で、
(それゆえ、五郎は物足りないのであろうが)
しかし、一度結婚したら、
夫には絶対に従うという、ある種の強さがある。


そして弥生は、
五郎の勝手な求愛を撥ね退ける常識を持った女だ。
彼女が彼の申し出を受けていたら、
話の流れは変わっていただろう。
弥生の真っ当さにホッとする。


五郎のような男に、
こんな素敵な2人の女、勿体無いよ(笑)。


評価 ★★★☆☆

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「家族会議」 [映画]

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〔1936年/日本〕


兜町の株屋・重住高之(佐分利信)は、
大阪で暮らす仁礼泰子(及川道子)と恋仲であったが、
高之の父が、泰子の父に自殺に追い込まれたという経緯があり、
結婚は難しい。


泰子の父は再び、
今度は高之に仕手戦を仕掛けてくる。


このままいけば、
泰子は父の番頭・京極練太郎(高田浩吉)と結婚させられてしまう。
高之は株仲間の娘・清子からも思いを寄せられており、
泰子の心は不安でいっぱいだが、
高之の態度はハッキリしない。


高之はついに泰子の父のせいで、
破産の危機に瀕し・・・。





フィルムが古く音声がよく聞き取れないうえに、
どうやら映像が数箇所、切られているらしい。
株の事もよく分からないので、
あまり入り込めずに終わった。


主人公の高之が、
なんだか優柔不断で、
2人の女の間を行ったり来たり(笑)。


モテっていえば、モテるんだろうけど、
その魅力がよく分からず。


女の子の積極的な様子に驚く。
高之をどうしても自分のものにしたい清子は、
ものすごくハッキリと、
彼に逆プロポーズ。
「私と結婚してくださらない?」、と。


現代だって、
女から男にプロポーズするのは、
結構勇気が要るものだと思うんだけど、
当時のその場面は、
観客からどんな風に捉えられたのかと、
聞いてみたい感じ。


さらに、そのプロポーズを高之が断るという、
なんとも微妙な展開。
清子はショックで持っていたガラスのコップを、
握力だけで、パリーンと割って血を流す。
そして、バックにかかる大仰なBGM。


高之が経済的に追い詰められた時の、
母親の様子が興味深い。


彼がそれを母親に告げると、
彼女は、「お前に任せる」みたいな事を言い、
不安な様子は表に出さない。


夫がいる時は夫に、
夫が亡くなれば息子に、
全権を委ねる、典型的な古いタイプの女だけど、
本当はとっても強いんだろうなぁと思わされる。
不安を感じるとすぐ口に出してしまう、
私のような女とは、えらい違いだわ(笑)。


大阪の心斎橋の辺りが映るのを真剣に観てしまう。
古い東京の映像と同様、
まだ大きなビルなどもなく、
のどかな感じ。


評価 ★★★☆☆

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「隣の八重ちゃん」 [映画]

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〔1934年/日本〕


帝大生の恵太郎は、
甲子園を目指す弟・精二の為に、
キャッチボールの相手をしている。
すると、精二のコントロールが乱れ、
ボールが隣家に飛び、窓ガラスが割れる。


それは日常茶飯事のようで、
隣の娘・八重子はまるで動じない。
八重子の母・浜子も、
「キャッチボールが始まると、奥の部屋に避難する」と笑う。


そんなのどかな日々の中、
ある日、八重子の姉・京子が、
突然、婚家から戻ってくる。
素行の悪い夫に愛想を尽かして出てきたのだと言う。


京子はなぜか恵太郎に急接近し始め、
恵太郎に仄かな思いを寄せる八重子は、
心穏やかではいられなくなり・・・。





昭和9年に作られたという、
古い古い映画。


のどかだ。
家の縁側の窓は常に開かれ、
普通に隣の息子がやって来る。
「母が留守なんだ」と。
そして、「お腹空いた」と(笑)。


主婦も当たり前のように
ご飯を出し、
買い物に行ってしまう。
古い日本の近所づきあいの様子が
手に取るように分かる。
それは微笑ましくもあり、
でも、今の自分に同じ事ができるのかと言えば、
ちょっと難しいかもと思ったり。


八重ちゃんと女友達が、
自分たちの胸の大きさを比べ合い、
そして、その会話を聞き入る恵太郎が可笑しい。
時代が変わっても、
女子高生の悩みだけは同じらしい(笑)。
そして、男の子の興味も。


しかし、そんなのどかな人々にも、
悩みは突然やって来る。


婚家から戻ってきた長女。
その理由を聞くと、
飛び出してくるのも無理はないかな、と思われるけれども、
それでも当時は、
女が離婚し、
一人で生きていくって、
きっと今よりずっと大変だっただろうと察する。


今後、どうやって生きていこうか、
半ば親を脅すようにも見える長女の相談。
まぁ、現代も、
若いシングルマザーの働き場所が少ない、なんて話をたまに聞くから、
現状はそう変わってはいないのかな。


ラストが可愛い。
「そうきたか」という終わり。
ここにも、古い日本の助け合いの心が
上手く表されている。


このような古い映画を観る度に、
この後、日本は激しい戦争で
こういったのんびりした生活は
一度リセットされてしまうんだよな、といつも思う。
当たり前の事だけど、
築いてきたものを全て無にしてしまう戦争に、
私は絶対に反対だ。


評価 ★★★☆☆

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