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「サンダーボルト」 [映画]

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〔1974年/アメリカ〕


ある田舎の教会で、
集まった人々に説教をたれている神父。
そこへやって来た怪しい男が、
突然、発砲。
危うく逃げ出した神父。


実はこの神父こそ、
サンダーボルト(クリント・イーストウッド)と呼ばれる
有名な銀行強盗。


一方、中古車屋から車を盗み出した
若造・ライトフット(ジェフ・ブリッジス)が、
軽快に車を飛ばしていると、
そこへ、何者かから逃げているサンダーボルトに出くわし、
彼を車に乗せてやる。
2人はやけに気が合い、
一緒にドライブする事に。


サンダーボルトは昔盗んだ金を隠したという
小学校に行くが、
なんと学校は建て替えられており、
頭を抱える。


そこでライトフットが提案した。
もう一度、同じ方法で
金を盗めばいい、と・・・。





なかなか愉快で軽快な犯罪もの。


邦題は「サンダーボルト」だけれど、
原題は「サンダーボルト・アンド・ライトフット」。
つまりこの映画は、
クリント・イーストウッドと、
ジェフ・ブリッジスの名コンビあってこその映画といえる。


19歳差の2人は、
親子とも兄弟とも言えない距離感で、
旅を続けていく。
多少偏屈なイーストウッドに対して、
ブリッジスのあんちゃんな感じがいい。
イーストウッドも、
彼の明るさに救われている気がする。


銀行襲撃の計画が動き出すと、
ブリッジスは、
見ているこちらが吹き出してしまうような事をする。
それは女装。


いくら、若かったとはいえ、
彼は女装して美しくなるタイプではなく、
ガタイもいいので、
どう見てもニューハーフな風情。


でも、いいの。
なんか可愛い(笑)。
彼はこの作品で、
アカデミー賞助演男優賞にノミネートされたそうだけれど、
分かるわ。
ある意味、イーストウッドより良いもの。


イーストウッドが、
小学校の黒板の裏に隠したという現金。
学校が建て替えられていて、
見ているこちらまでガックリくるけれど、
あとから素晴らしい展開が待っている。
大金を見るのって、
映画の中だけでもいいもんだわ。
色々な妄想が浮かんでくる(笑)。


さらに、その後、
また違う展開があるのだけれど。


評価 ★★★★☆

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「ジュエルに気をつけろ!」 [映画]

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〔2001年/アメリカ〕


バーテンダーのランディ(マット・ディロン)は、
ある夜、男に乱暴されそうになっていた、
魅力的な女・ジュエル(リブ・タイラー)を助け、
自分の家に連れ帰る。


ジュエルの夢は理想のマイホームを手に入れる事で、
そのためには、どんな手段も選ばない。
ランディはそんな彼女の為に、
殺人の片棒を担ぐハメになってしまう。


ジュエルに魅せられた男は、
ランディだけではない。
刑事のデリング(ジョン・グッドマン)もその一人。
彼は、ジュエルに惚れるあまり、
何かと彼女の周囲をウロつき、
彼女が何か事件に関わっていると気付くも、
その事実を握りつぶしてしまう。


さらに弁護士のカール(ポール・ライザー)も
ジュエルに夢中になる。
ジュエルの魅力に抗える男など、
この世に存在しはしない・・・。





すごいな。
こういう内容の映画って、
1ミリ間違えるとと、
イライラさせられっぱなしな気がするけど、
そういった事は全くなく、
ノー天気にあはは~と笑って観てしまう。


自分の理想の家を手に入れたい、
リブ・タイラー演じるジュエルが、
目的の為なら、
泥棒も殺人も厭わないのが、
笑える。
(笑っちゃいけないのでしょうが)。


ジュエルの気持ち、
ちょっと分かるなー。
私も家の外観や間取りを見るのが大好きで、
散歩をしていても、
つい目がいってしまうのは、
立ち並ぶよそのお家。


映画を観ていても、
家の中の調度品が気になって仕方なく、
「私だったら、あんな所にあんな物は飾らないなー」とか、
ストーリーを追いながらも、
インテリアチェックは欠かさない。


とはいえ、
ジュエルの趣味と私の趣味は、
全く違うけれども。
私は、なーんにも置かない、殺風景なくらいの
お部屋が好きだけれど、
ジュエルは、ランディのお家にペンキを塗ったりして、
どんどん派手に変えていく。
人それぞれ、好みって面白いなぁ、と、
そういった面でも楽しめる。


ジュエルの魅力に対して、
男たちはみんな、お馬鹿さん(笑)。
彼女に魅了され、
彼女のためなら、なーんでもしちゃう。


私も彼女くらい可愛かったら、
今頃、豪邸に住んでいたかもしれないなぁ(笑)。


評価 ★★★☆☆

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「100歳の少年と12通の手紙」 [映画]

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〔2009年/フランス〕


白血病を患う10歳の少年・オスカー(アミール)は、
病院の廊下で、
中年のピザ屋の女・ローズ(ミシェル・ラロック)とぶつかり、
口汚く罵られる。


オスカーは、自分の命が、
あと数日しか持たない事、
しかし、両親がその事について、
自分に正直に話してくれない事を
不満に思い、心を閉ざす。
そんな彼が、話をしたいと頭に浮かんだのが
ローズだった。


院長から、オスカーの話し相手になってくれないかと頼まれた
ローズは
最初は断るが、
しかし、院長の強引さに負け、
渋々引き受ける事となる。


ローズは大晦日までの12日間、
1日を10年と考えて、
神様に手紙を書けとオスカーに促す・・・。





子供の病気を扱った、
悲しい話ではあるけれど、
主人公のオスカーが意外と強く、
そして利口で、
メソメソした感じはしない。


オスカーが話し相手に指名したローズは、
元女子プロレスラーで、
時々、ファンタジーのような、
プロレスの場面が見られる。


それはスノードームの中で行われる試合で、
観客はオスカーをはじめ、
同じ病院に入院している子供たちなど、
オスカーの周囲にいる人たちばかり。


ローズの思い出話と共に、
映像化されるそのプロレスの試合は、
選手が空中で一回転したり、
とんでもないコスプレで登場したりと、
現実とは少し違う様相で、
楽しめるようになっている。


ローズは、1日を10年と考えて、
オスカーに手紙を書かせるのだけれど、
最初は私も面白いアイデアだと思ったけれど、
やっぱり少し失敗かも。


というのも、
10代、20代から、50代くらいまでは、
まぁいいとして、
70代、80代くらいになると、
「あなたの命はあと少し」というような雰囲気になってくるのが、
なんだか微妙で。


それから、オスカーの両親がちょっと可哀相。


息子の余命を聞かされた両親は、
その現実を受け止められず、
その日はオスカーに会わずに帰ってしまう。


オスカーはそれを、
弱虫だと言い、
両親と口をきかない。


それって悲しすぎる。
両親にしてみたら、どれだけ辛い事か。
残りわずかな日々を
穏やかで幸せに過ごしたいと思っているはずなのに。
まぁ、利口なオスカーだから、
途中で自分の間違いに気付くので、
観ているこちらはホッとできるけれども。


評価 ★★★☆☆

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「マジック・イン・ムーンライト」 [映画]

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〔2014年/アメリカ〕


大人気の中国人マジシャン・ウェイ・リング・ソー(コリン・ファース)の正体は、
実は皮肉屋でひねくれたイギリス人のスタンリー。


ある日彼は、
若い女性霊能力者・ソフィ(エマ・ストーン)の
正体を暴いてほしいと友人から頼まれる。
ソフィは、ある大富豪の御曹司に取り入り、
妻の座を狙っているのではないかと疑われているのだ。


スタンリーに会ったソフィは、
彼の過去や最近の出来事をピタリと当て、
不合理な事は全く信じなかったスタンリーの信念は
根底から覆されてしまう。


さらに、可愛いソフィと接するうちに、
すっかり彼女に魅了されてしまったスタンリーは・・・。





コリン・ファース54歳、
エマ・ストーン26歳。
この、親子でもおかしくない組み合わせの2人が、
いい雰囲気に惹かれあっていくって、
ウディ・アレン監督の願望?(笑)


コリン・ファースの登場シーン、
彼が変な中国人のマジシャンを演じていたのが
笑える。
頭がツルツルで、
変なメイクして、
変な髯を付けて、
中国人と言い張ってはいるけれど、
どう見ても西洋人(笑)。


そんな彼は、手品界では大スターらしく、
ちょっとしたイリュージョンを
観客に披露して、
「おぉ!」という感嘆の声を受けている。


しっかし、自分が種も仕掛もあるマジックで、
観客を惑わしているものだから、
他人の胡散臭い話は絶対信じない。


それって、ちょっと分かるな。
人を騙す事を生業にしている人は、
他人の事も信じないんだろうなぁ、という気がして。


で、私も、
霊とか超能力とかいったものは、
あまり信じない質なので、
エマ・ストーンの能力には、
甚だ懐疑的で(笑)。


ただ、彼女のその能力が、
本物だろうが、偽物だろうが、
その魅了にやられてしまう気持ちは分かる(笑)。
だってとっても可愛いんだもの♪


評価 ★★★☆☆

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「800万の死にざま」 [映画]

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〔1986年/アメリカ〕


ロスの麻薬捜査官・ジェフ・ブリッジスは、
丸腰の容疑者を射殺してしまい、
その責任を問われたストレスから、
酒に逃げ、アル中になってしまう。


妻からは見放され、
仕事も休職、
断酒会に入った彼は、
なんとか半年で立ち直り、
あるパーティに出席する。


そこで、娼婦・アレクサンドラ・ポールから、
「自分を助けてほしい」と懇願されるブリッジス。
実はそのパーティは、
マフィアのランディ・ブルックス主催の、
高級売春クラブだったのだ。


なんとかアレクサンドラを逃がしてやろうとした
ブリッジスだが、
彼女は何者かに殺されてしまい、
また酒に逃げてしまうブリッジス。


アレクサンドラを殺した犯人を捕まえようと、
彼女の友人・ロザンナ・アークェットに近付いたブリッジスは、
本当の悪党は、
クラブの客のアンディ・ガルシアだと気付き・・・。





いかにも80年代なサスペンス物で、
可もなく不可もなく、といった印象。
タイトルほどのハードボイルドな感じもしない。


とはいえ、見せ場はある。
アンディ・ガルシアが隠す、
大量のヘロインを見つけたジェフ・ブリッジスが、
誘拐されたロザンナ・アークェットと引き換えにしようと、
倉庫でやり取りする場面は
かなりの緊張感。


ああいった、
人質と何かを交換する場合って、
駆け引きが難しいよね。
先に手持ちの駒を差し出すと、
相手に両方持って行かれてしまう事も考えられるし、
かといって、
差し出さないと、相手も差し出してはくれないし。


ランディ・ブルックスがパーティを開く豪邸ってのが凄い。
家はかなりの高台にあって、
専用の小さなケーブルカーに乗らないと入れない。


車で家に帰ってから、
またケーブルカー。
住んでみたいなぁ、そんな家(笑)。


あれなら、家が売春クラブになっていても、
警察はすぐには家には入れないし、
上手いやり方だわと、
悪党の側に立って、感心。
ただ、停電になったら、
家の主まで入れなくなっちゃうわ、と思ったけれど。


アンディ・ガルシアって、
オールバック以外の髪型を、
私は見た事がない気がするんだけど、
前髪を下ろそうという気はないのかしら。
この映画では、
オールバックの後ろ髪を、
小さく結わいていたけれど、変化といえばそれくらい。
あの見事な富士額が自慢で、隠したくないとか?(笑)


評価 ★★★☆☆

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