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「こわしや甚六」 [映画]

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〔1968年/日本〕


ある結婚式場で、
今まさに、幸せなカップルがケーキに入刀しようとしている。
するとそこに、体がミョーに大きな、変な女が入ってきて、
抱いていた赤ん坊を新郎に押し付けた。
「あなたの子です」、と。


この女こそ、女装した富山甚六(フランキー堺)。
彼の表の顔は、
うだつの上がらぬサラリーマンであるが、
裏稼業は、「壊し屋」。
誰かに頼まれては、
カップルの仲を引き裂いたり、
愛人と手を切りたい男の手助けをしたりと、
仕事は色々ある。


そんな甚六が、
ある日、大兵建設の社長秘書・宮城成美(生田悦子)と知り合い、
強く心惹かれる。
成美は、甚六の初恋の相手である、
小学校の先生にソックリなのだ。


話を聞いてビックリ。
何と成美は、先生の娘だというではないか。
先生は、大兵建設の社長に騙された挙句、自殺したといい、
成美は復讐のために、大兵建設の秘密を探り、
金の不正な操作の実態を掴んでいると言う・・・。





時々、ネットなどで、
「別れさせ屋」なる商売を目にする事がある。
どうやら、
幸せなカップルを別れさせたり、
暴力を振るう恋人と別れたい人が利用するらしい。


私は、そのような商売は、
最近考え出されたものなんだろうと思っていたのだけれど、
なるほど、この映画のような昔から、
同じような事をしている人がいたのね、と、
変な所で感心してしまう。


冒頭から、フランキー堺の女装に笑える。
どう考えても、彼は女装して
美しくなるタイプではないものね。
そして、そんな女が赤ちゃんを連れているのだから、
余計に不気味で(笑)。


もしも、自分が出席している結婚式で、
そのようなハプニングがあったらどうだろうと想像する。
もうビックリでお口あんぐり、
呆然を見ている他はないだろうなぁ。
新郎の身内だったら、
事実を確かめる事を考えるかもしれないけど。


笑えるのは、
甚六は、それだけの大仕事(?)を、
なんと会社の昼休み中にこなしているらしい事(笑)。
慌てて会社に帰って、
1時5分に席に着いた彼は、
上司に叱られる。
「君は会社の時間を5分盗んでいる」と。
うーん、私も耳が痛いわ(笑)。


後半は、ちょっとアクションものっぽい要素が入ってくるけど、
全体的にはゆるーい喜劇。
のんきに観られる。


評価 ★★★☆☆

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