SSブログ

「シェーン」 [映画]

image.jpg
〔1953年/アメリカ〕


ワイオミング州の開拓民・ジョー(バン・へフリン)の家に、
一人の男がやって来た。
旅をしているその男はシェーン(アラン・ラッド)と名乗り、
水を所望した。


ジョーの妻・マリアン(ジーン・アーサー)と息子のジョーイ(ブランドン・デ・ワイルド)は
すぐにシェーンに好感を持ち、
その晩は彼らの家に泊まる事になった。


ジョーは、悪徳牧場主のライカー(エミール・メイヤー)と
その舎弟たちの横暴っぷりに悩まされており、
シェーンに冬までの逗留を願い、
シェーンもそれを承諾した。


ジョーの手伝いで町の商店に行ったシェーンは、
ライカーの舎弟たちに挑発されるが、
相手にせずに店を出た。
その事から調子に乗った舎弟たちは、
シェーンは弱いと周囲に吹聴し、
さらに図に乗るようになるが・・・。





映画は観ていなくとも、
あの有名なラストシーンだけは知っている「シェーン」。
観たいとは思いながらも、
なんとなく先延ばしになっていたこの映画だけれど、
先日、珠玉の映画史をレビューされている
ブログのお友達のsig様から、
「『シェーン』は、川口松太郎の流れ者人情ドラマのようだ」と
教えていただき、
いい機会だと、やっと観る事ができた。


sig様の仰る通り、
確かに、流れ者人情ドラマかも(笑)。
舞台が日本で、
時代が江戸時代で、
銃が刀で、
シェーンが市川雷蔵でも、
なんら問題なく見ていられる(笑)。


シェーンを演じるアラン・ラッドが、
悪役たちより小柄な優男で、
どう見ても強そうに感じられないのに、
いざとなると大変な力を発揮する所なども、
市川雷蔵の映画と似ている。


最初にシェーンがチンピラたちから絡まれた時、
全く相手にせずに、店を出た場面が、
今まで観てきた西部劇とは少し違う気がして、
面白かった。
荒くれ男が多い西部劇においては、
売られた喧嘩は買わねばならぬ、という輩ばかりかと思っていたから。


もちろん、その後シェーンは仕返しするのだけれど。
そりゃそうだよね。
そうでなきゃ、ジョーがシェーンを雇った意味がない(笑)。


この映画は、
そんな大人たちの争いを、
ジョーの息子のジョーイの目を通して描いていて、
その素直な感性を、とても可愛く思うのだけれど、


ジョーイとは別に、
私は、ジョーの妻のマリアンの感情が気になったんだな。
マリアンは、明らかにシェーンに惹かれているように見える。
隠そうとしても、その気持ちは、
体から滲み出てしまう。


しかし、貞女のマリアンが、
そんな自分を許すわけもなく、
当然、何事も起こらないし、
ジョーも何も言わない。
彼女の心の揺れに、気付いているんだろうけれど。


ラストのシェーンの行動は、
やはり的確な判断なのかも。
これ以上、ジョーの家にいたら、
今度はジョーの家族に波風を立ててしまう。
だからああなった、そんな気もする・・・
ってのは、女のくだらない感想か(笑)。


このラストについては、
シェーンの死亡説まであるそうだ。
もちろん、様々な解釈は出来ようが、
私は生きてる説を取る、というか、生きていると思いたい。
シェーンはまた次の街に行って、
悪者をやっつけていると信じたい。


評価 ★★★☆☆

nice!(47)  コメント(20)  トラックバック(0) 
共通テーマ:映画