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「パパラッチ」 [映画]

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〔2004年/アメリカ〕


自身が出演したアクション映画が大ヒットし、
一躍大スターとなったコール・ハウザー。
人生の絶頂にあるハウザーだが、
これまでなかった新たな悩みが出てくる。
それはパパラッチによる執拗な追い回しだ。


パパラッチたちは、
プライベート空間でのハウザーの全裸写真を
雑誌の表紙に載せ、
妻や、幼い息子まで追いかけ回す。


家族を守ろうとしたハウザーは、
特に悪質なパパラッチ・トム・サイズモアを殴ってしまうが、
その場面がまた雑誌の表紙になるという、
悪循環。


サイズモアと、彼の仲間の行動はさらに激化し、
ハウザーが妻子を乗せ車を運転中に、
左右を並走しながら
激しいフラッシュを浴びせ、
そのせいで大事故が発生、
妻は脾臓を摘出、息子は意識不明という大惨事になってしまう。


最愛の家族を傷つけられながらも、
警察は証拠のないサイズモアを逮捕はできないと言う。
ならば自分で復讐するしかない。
その日から、事件に関わったパパラッチたちが、
次々不審な死を遂げてゆく・・・。





アメリカの俳優協会(そんなのある?)が作った、
パパラッチ撲滅のためのキャンペーン映画か?(笑)と
言いたくなるような作り。


メル・ギブソンが製作陣に名前を連ねている上に、カメオ出演、
他にも、マシュー・マコノヒーやヴィンス・ヴォーンも
カメオ出演していて、
「この映画に賛同しますよ」と言っている声が聞こえる(気がする(笑))。


ただ、私もこれを観て、
ほんの少し、自分の考えが変わったのも事実。


今まで私は、
誰かに強制されて俳優になったわけでもあるまいし、
有名になれば、
それなりのリスクが伴うのは分かっていた事でしょうと思っていたから。


無名時代は、何としても有名になりたいと自分を売り込んでいた人間が、
売れた途端、今度は写真を撮るなでは、
あまりに虫が良すぎるではないか、
今までの、様々なスターとパパラッチのトラブルは知っていたはず、
そんな他人を騒動を知っている上で、
それでもスターになりたかったんでしょう?と。


しかし、パパラッチの実態は、
私の想像の範囲を越えていた。


彼らは、写真を撮ると同時に、
言葉で執拗に脅してくる。
「お前の息子が着替えをしている写真もあるぞ」などと。


最悪。
それは殴りたくもなる。
自分が撮られるのはいいとして、
そんな風に家族の事を言われるなんて、
大切なものを汚されたような、
最悪な気分になるだろう。


さらにパパラッチたちの驚くべき行動。
ハウザーが挑発された挙句に、自動車事故を起こし、
家族3人怪我をして意識を失っていると、
「これはマズイ」と思うどころか、
写真を撮りまくり、
大喜びする、その不気味さ、卑劣さ。
人間、どうしたらそこまで堕ちられるのかと、
問い質したくなるような場面。


もう自分は、全面的にハウザーを応援するぞ!と思うようになり、
その後の復讐劇は胸がスッとするような爽快感。
たとえその方法が犯罪だとしても。
すっかりメル・ギブソンの術中に嵌まってしまったようだ(笑)。


評価 ★★★☆☆

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「指輪をはめたい」 [映画]

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〔2011年/日本〕


山田孝之が目をさますと、
そこは病院のベッドの上。
女医(水森亜土)の話によると、
彼は営業先のスケート場のリンクで転び、
頭を打って担ぎ込まれたという。


自分の鞄がない事に気付いた山田が、
スケート場に戻ると、
見知らぬ女・二階堂ふみが鞄を持っていた。
中を開けて見ると、そこには記憶にない婚約指輪が入っていた。


どうやら彼は、自分の恋人の記憶だけが、
すっぽりと抜け落ちてしまったようなのだ。
彼は一体誰に渡そうと、
指輪を買ったんだろう。


その後、3人の女の誰かが、
彼の恋人候補である事が分かってくる。


同じ会社の研究員・小西真奈美。
風俗嬢・真木よう子。
公園で人形劇を披露している池脇千鶴。
さらに二階堂ふみまで絡んできて、
話はややこしい方向に・・・。





恋人に関する記憶を失った山田孝之が、
3人の女たちの間で奔走するお話。


山田君、幸せな役だねぇ(笑)。
3人の女優さんは、
どの方もみんな魅力的で、
さらに、全員が、
彼を深く愛してくれているらしい。
全員、自分が彼の本命だと思い込んでいる。


山田君は、そんな彼女たち全員と、
関係する。
めっちゃ美味しいじゃん(笑)。
彼は、恋人の記憶を思い出すためだと思っているようで、
その事を喜んでいる風でもないのが可笑しいけど。


私が男だったら、
誰を選ぶかなー、と考えながら観る。
3人とも個性が全く違ってて、
長所も欠点も、これまた違う。


この3人が山田君の部屋で鉢合わせして、
殴り合いになるのだから笑える。
私はあんな修羅場を体験した事はないけど、
ああなったら、実際手が出るんだろうか。


映画とは全然関係ないけど、
ダウンタウンの浜ちゃんが独身時代、
部屋に帰ったら、
今の奥様を含む3人の女性が、
テーブルを挟んで正座して彼を待っていた、と、
うろ覚えだけど、著書に書いていたように記憶している。
手が出るのか、正座して待つのか。
その時の状況と、相手の出方次第だろうけど、
ちょっと体験してみたいような気もする(笑)。


3人のその後の運命もいい。
詳しくは書けないけど、
ホッとするような方向へ進む。


冒頭に出てきた女医役の水森亜土さんが最高。
彼女はカルテに、
山田君の脳の状態を絵で描くんだけど、
伝説の左右両方の手で同時にそれをするという芸を、
ちょっとだけ見せてくれる。
うーん、その場面、もっともっと長くしてほしかったよ(笑)。


評価 ★★★☆☆

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「デイブレイカー」 [映画]

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〔2009年/オーストラリア〕


2019年。
コウモリによってばら撒かれたウイルスで、
人間の95%がヴァンパイアとなってしまった世界。


当然世の中はヴァンパイア中心の社会で構築され、
人間は彼らの血液供給源として、
飼育管理されている。


しかし、人間の数があまりに減り過ぎたため、
慢性的な血液不足が問題化し、
その解決のために、
製薬会社は、人工血液の研究に躍起になっている。


研究員の1人・イーサン・ホークは、
ヴァンパイアでありながら、
人間寄りな考え方の持ち主で、
社長のサム・ニールとは意見が合わない。
そんなホークは、あるきっかけで
人間・ウィレム・デフォーと知り合う。


デフォーは人間保護活動をする男で、
当局から狙われている。
デフォーの逃亡を助けたホークは、
デフォーの驚くべき秘密を知る・・・。





2019年に、世界の人口の95%が
ヴァンパイアに・・・って、
あと4年じゃないか(笑)。


そこまでヴァンパイア人口が膨れ上がってしまったら、
数の多い方が力を持つのが当然で、
ヴァンパイアたちは、今までの映画のような
日陰者(笑)ではなく、
暮らしぶりは、人間とそう変わりない。


ただ、その変わりのなさが逆に可笑しい。
今まで見てきたヴァンパイアって、
どこか気高く、美しさと悲しみを湛えた存在だったと思うんだけど、
サム・ニールは金儲けの事ばかり考えているようだし、
街では、コーヒーに入った血液が少ないと、
中年のおっさんが店の女の子相手に暴れたりと、
俗物丸出し(笑)。


個人的に気に入ったのが、
イーサン・ホークの車。
形がどうの、ではなく、
完全にヴァンパイア仕様になっていて、
中は真っ暗。
外の様子は、カメラで映して運転するようになっている。


その車が銃で撃たれると、
丸く空いた穴から、強い太陽光線が矢のように
差し込んでくる。
その光がホークに当たると、
「うわっ!」って感じで、彼の皮膚が焦げる。
なんだろう、なんか好き。


こんな内容だから、
血がいっぱい出てくる。
いや、血だけじゃなく、
内臓も飛び散る。
これも込みで楽しめる。


評価 ★★★☆☆

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「黒木太郎の愛と冒険」 [映画]

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〔1977年/日本〕


定時制高校に通う銃一とその友人・公一と勉は、
いつか映画を撮りたいと考えている。
勉の叔父の黒木一郎(田中邦衛)は、
スタントマンをする中年男で、
一風変わった気質の持ち主。


黒木の妻・牧子(倍賞美津子)は元女優、
母加津江(清川虹子)は大変な女傑、
黒木の友人・ゴメさんは借金の取り立て屋、
そしてゴメさんの紹介で、
銃一は「大人のおもちゃ屋」を経営する菊松(財津一郎)の
2階に住んでいる。


ゴメさんは気が弱く、借金の取り立てには、
酒を飲まずには出掛けられない。
しかしそれが祟って、あっけなく死んでしまい、
黒木と銃一で、遺骨を娘・吹雪(杉本美樹)の家に届ける事に。


吹雪の家に行くと、彼女と夫は何やら困り果てている様子。
2階に下宿させている女教師・君島(緑魔子)が、
猫を20匹も飼っていて、
退去を勧告しても、権利ばかり主張して居座っているのだ。
黒木は君島を改心させるのに、一役買う事に。


また、勉の従妹で中学生の和美が、
ソープランドの寮に入り浸って帰ってこない。
このままではヤクザにソープ嬢にさせられてしまう。
寮に乗り込んだ黒木たちは・・・。





どう書いたらいいのか、
何かのメッセージがあって作られたようにも感じられるし、
意外と何も考えていないようも思えるし、
コメディっぽく作られてはいるけど、
私には少し難しい。


田中邦衛が演じる主人公・黒木太郎は、
最初からやってくれる。
自分が運転するジープのボンネットいっぱいに、
日の丸を描いて、
わざとアメリカ大使館やロシア大使館を前を回ったりする。


警察は不審車として彼を追いかけるけど、
捕まった時、
「日本人が国旗を描いて何が悪い」と言う。
私も観ながらそれを思っていたので、
「そうなのよね、何が駄目なんだろう。
アメリカで星条旗を描いたら追いかけられるのかしら」なんて、
つまらない事を考えてしまう。


勉の父(三國連太郎)が墓地で割腹自殺する場面もある。
やっぱり私にはよく分からない。


緑魔子演じる女教師の部屋が強烈。
一軒家の2階の狭い部屋に20匹もの猫がひしめいていて、
ノミだらけ。
見ているこちらまで痒くなってくる(笑)。
あんな劣悪な環境では、猫を可愛がっているんだか、
虐待しているんだか、って感じで。
部屋に入った黒木も、体を掻きっぱなし(笑)。


ソープランドに売られそうになった和美を救出するも、
「私は家も学校も嫌い。
自分の体で金を稼いで、何がいけないの!?」と言われ、
言葉に窮する大人たち。
子供の質問って、時に怖い。
そう聞かれたら、大人はどう答えればいいんだろう。


評価 ★★★☆☆

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「イントゥ・ザ・ウッズ」 [映画]

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〔2014年/アメリカ〕


シンデレラは、
継母と義理姉たちにいじめられて、
お城の舞踏会に行かせてもらえない。


赤ずきんちゃんは、
おばあさんのお見舞いに行く途中、
オオカミに狙われる。


少年・ジャックは、大切にしていた牛を、
母から売ってくるように命じられるも、
豆と交換してしまう。


高い塔に閉じ込められているラプンツェルは、
母が呼びかけると、
その長い髪を下にたらす。


パン屋の夫婦は、
突然現れた魔女から、
「お前たちに子供ができないのは、呪いにかけられているから」と
知らされる・・・。





なんだ?この、抱き合わせ販売みたいな内容は(笑)。


お馴染みの童話の主人公たちが
沢山出てはくるけど、
数出てくりゃいいってもんじゃない。
収拾がつかなくなって、
どうでもいいから、もう終わらせてーってな気持ちになってくる(笑)。


これだったら、
一つのキャラをじっくり描いた方が、
よほど楽しめるってもんだけど、
「赤ずきん」も「ジャックと豆の木」も「ラプンツェル」も
ここ5年の間に映画化されてるからなぁ。
残る「シンデレラ」の実写版も、もうすぐ上映される。
もしかして「シンデレラ」の宣伝のための映画?(違うか(笑))


しかも、この映画のシンデレラの王子は、
全く誠実じゃない。
「な、なんでそこでそうなるの?」という展開が待っている。
ある意味、予測不能。
子供さんに見せようと思っているかたは要注意だよ(笑)。


魔女が、
「4つのアイテムを集めれば呪いが解ける」と言って、
パン屋の夫婦は、なんとかそれらを手に入れるんだけど、
その中の1つを魔女が却下。
すると、そこにあった、
全く別の物で代用し、それがOK。
え?????
そんな簡単に代用品で済むなら、
他の品だって、苦労して集めなくても、
代用品で良かったんじゃないの?と言いたい。


映画が終わると、
エンドロールで余韻を楽しむ事もなく、
お客さんがゾロゾロと帰っていった。
そんな皆様のお気持ちが分かる気がした(笑)。


評価 ★★☆☆☆

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