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「ひかりごけ」 [映画]

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〔1992年/日本〕


昭和18年。
真冬の北海道の荒海で船が座礁し、
4人の漁師がある洞窟に泳ぎ着いた。


激しい吹雪の酷寒の地で、
4人は焚火で何とか寒さをしのぐが、
食べ物は1つもない。


ついに4人のうちの1人・五助(杉本哲太)が死んだ。
すると船長(三國連太郎)は、
五助の屍肉を食らい、
西川(奥田瑛二)もそれに従った。
ただ、五助と親しい八蔵(田中邦衛)は、
どうしてもそれを口にできずにいた。


空腹に耐えきれず、
八蔵が死んだ。
船長と西川は、また八蔵の屍肉を食らった。


八蔵の屍肉が尽きた頃、
西川と争いになった船長は、
太い氷柱で彼を刺し殺してしまった。
彼は西川の屍肉を食らって命をつなぎ、
ついに生還するが・・・。





ホラー映画ではなく、
「生きる為」に人の屍肉を食べるという映画では、
私が一番最初に思い出すのは、
「生きてこそ」。


アンデスの雪山に飛行機が墜落し、
生き残った若者たちが、
死んだ仲間の肉を食べて、
命を長らえたという物語。


この「ひかりごけ」も「生きてこそ」も、
実話がベースという事だけれど、
やはりこういった物語は、
人の発想を超えているというか、
頭の中だけでは、中々描けない物語なのかもしれない。


映画を観ると、
「もしも自分だったら」と考える事が多い私だけれど、
これは簡単に答えの出せる問題ではないかなぁ。
ここまでの極限状態に追い込まれるって、
想像するにも限界があるくらい難しい。


とりあえず、今の私は、
「食べない」と思っているのだけれど、
でも、そのような状態になったら、
誰より先に食べたりして(笑)。
それは神様しか分からない。


映画自体は、そうめちゃくちゃ面白い、というほどではないように
感じられた。
狭い洞窟の中での4人劇で、
お話の広がりようがないし。
そして、後半は船長の裁判の場面となる。


この船長の罪って、なんだろう。
法律的には、西川殺害って事だけで、
屍肉を食べて、生き抜いた事は、
誰にも裁けない気がするのだけれど、
どうなんだろう。
私にはよく分からない。


裁判の途中で、
死んだ西川たちが出てきたりして、
なんだか訳が分からなくなってくる。


どうでもいいけど、
あの極限状態の中で、
奥田瑛二の髪型だけが、
常にブローしているかのように
最後まで整いすぎているのが可笑しかった。


評価 ★★★☆☆

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