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「集金旅行」 [映画]

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〔1957年/日本〕


佐田啓二と、彼のアパートの大家が外出先から帰ってみると、
大家の若い嫁が、
幼い息子・勇太を残して、住人の一人を駆け落ちしていた。
大家は、ショックのあまり死んでしまう。


住人たちが集まり、
抵当に入っているアパートと、
勇太をどうするかを相談。
結果、部屋代を未払いのまま逃げた住人たちから
金を集める事と、
勇太を母親の所へ送ってゆく事で話がまとまる。


一番暇そうな佐田啓二にその役が任され、
それから、ちょうど、
今まで関わった男たちから慰謝料巻き上げ行脚に出ようとしていた、
岡田茉莉子が同行する事になる。


行先は、中国地方と四国方面。
かくして佐田、岡田、そして勇太の3人旅が始まった・・・。





なんだか中国地方の宣伝の為の、
観光映画みたいだなと思ったけれど、
井伏鱒二が原作というから、
そういった意味合いはないようだ。


無関係の男女+他人の子という、
映画ではまぁ、よく有りそうな組み合わせの
ロードムービー。


とはいえ、佐田啓二と岡田茉莉子が、
常に反発しあっていて、
時々、声を上げて笑ってしまう。
佐田は、あまり女性には感心が無いようで、
可愛く、色っぽい岡田と一緒に旅しても、
心動かされる様子はない。


それに反して岡田は、
中国地方各地に、関わった男がいるらしく、
慰謝料を集金して回る。


それらの男たちは、
地元の名士や、敬虔なクリスチャンなど、
一見、浮気とは縁の無さそうな輩ばかりだもんだから、
岡田が現れると、
皆、一様に慌てるんだな。
どいつもこいつも、
一皮剥けば、ただのエロ親父ばかり(笑)。


佐田と岡田は途中の旅館で、
同じ部屋に泊まらせられる。
岡田の方がその気になっているのに、
それでも佐田が彼女に手を出す事はない。
彼は、据え膳食わなくても、恥とは思わない男のようだ(笑)。


こんなコメディだけど、ラストが意外で。
こんな終わり方のコメディって、
あんまり無いような気がするんだけど、
私が不勉強なだけなのだろうか。


そして、このラストで、
佐田の微妙な気持ちも分かるようになっている。
彼もやっぱり男だったのね。


桃井かおり主演の「神様のくれた赤ん坊」は、
この映画のリメイクなのだそうだ。
近いうちに絶対観てみるつもり。


評価 ★★★☆☆

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