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「パーフェクト・センス」 [映画]

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〔2011年/イギリス〕


イギリス国内で、ある時期を境に、
嗅覚が完全に失われてしまうという人間が現れる。
そしてそれは、イギリスだけの現象ではなく、
世界中で発症している事も分かってくる。


ほぼ全人類の嗅覚が失われた頃、
今度は味覚を失うという症状が出てくる。
原因は不明だが、
感染症らしい。


そんな中、
一組の男女が出会い、愛し合うようになる。
シェフのユアン・マクレガーと、
科学者のエヴァ・グリーン。
蔓延する病気のせいで、マクレガーのレストランは経営危機に、
そしてグリーンは情報を収集するも、
解決には至らない。


次は聴覚。
この症状には前触れがあり、
聞こえなくなる直前の人間は、
凶暴になり、感情がむき出しとなる。
マクレガーも例にもれず、酷い言葉をグリーンに投げつけ、
傷ついた彼女は部屋を飛び出す。


そして、それは突然やって来た。
瞳から光が失われたのだ・・・。





観終わって落ち込む。
モニターの向こうで起こっている出来事が、
なぜか現実のように感じられ、
息苦しくて、深呼吸せずにはいられない感じ。


一つずつ失われてゆく五感。
最初の嗅覚の時は、
まだ楽観的だった。
今の人間の能力なら、
特効薬、もしくは、発症を遅らせる薬などが発明されるはずだと、
思いながら観ていた。


けれど、味覚、聴覚と進むにつれ、
段々絶望的な気持ちになる。
これは、急速に進む、
人類滅亡ではないか。
事態を食い止められる者はいない。
ただ、ひたすらその時を迎えるしかないのかと。


数年前に公開された、人間の視覚が突然失われてしまうという映画、
「ブラインドネス」を思い出す。
あちらは視覚だけだったけれど、
それでも人々はパニックに陥り、
とんでもない状況に追い込まれていたっけ。


それから、個人的に、
「ブラインドネス」より、「トゥモロー・ワールド」を思い出したりもした。
18年以上も、一人の子供も生まれないという世界を描いた映画で、
ゆるやかに滅亡してゆく人類を描いた秀作だった。


当たり前すぎるほど当たり前の事だけれど、
五感って凄いんだなと、
あらためて考えずにはいられない。


評価 ★★★☆☆

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