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「ビッグ・アイズ」 [映画]

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〔2014年/アメリカ〕


1958年。
横暴な夫から、一人娘を連れて逃げ出した、
マーガレット(エイミー・アダムス)。


サンフランシスコのノースビーチの広場で、
似顔絵描きを始めたマーガレットは、
隣のブースで風景画を売っていた
ウォルター・キーン(クリストフ・ヴァルツ)と意気投合し、
再婚する。


マーガレットの描く人物画は、
目が大きいのが特徴で、
彼女自身も、作品を「ビッグ・アイズ」と呼んでいた。
「ビッグ・アイズ」は、あるきっかけから
世間に少しずつ知られるようになるが、
なんと、ウォルターは、
それを自分の作品だとしてしまう。


マーガレットは彼に抗議しながらも、
常に言いくるめられ、時に脅され、
命じられるままに、作品を創るだけの日々。


脚光を浴び、得意気なウォルターに限界を感じたマーガレットは、
家を出て、彼を訴える決意を固める・・・。





最初から最後まで、神経を逆撫でされっぱなしの104分。


ウォルター・キーンの、
狡猾でいやらしい笑い顔が気持ち悪くて、
演じているクリストフ・ヴァルツ自身は何も悪くないのに、
彼の事まで大嫌いになりそうだ。
今後、彼の出演作を観たら、
それがどんなに良い役でも、
「あ!あいつだ」と思ってしまいそう(笑)。


ヴァルツの演技を楽しんだという方もおられるようだけれど、
私には、とてもじゃないが楽しむ余裕なんてなかったなぁ。
ただただ、嫌悪感だけで。


人が描いた絵を、自分の作品として売り出すって、
一体どんな神経してたらできるのか。
別に私だって自分を正直者だとは思っちゃいないけど、
それにしても、これはない。
例えば、こんな与太ブログだって、
誰かが勝手に自分の文章として他のブログに載せたりしたら、
ものすごーく嫌な気分になるだろうと思う。


百歩譲って、
ウォルターが、「ビッグ・アイズ」を自分の作品として売り出してしまったとしても、
日頃から、本当の作者であるマーガレットへの敬意を忘れず、
「申し訳ない、ごめんね」という気持ちを持っていたとしたら、
事態は変わっていたと思う。
彼はあまりに尊大で、嫌な男だ。
あれじゃ、マーガレットでなくても愛想が尽きる。


彼は、人を騙す才能には長けているようなので、
「ビッグ・アイズ」をマーガレットの作品として、
ウォルターはマネージメントに徹するようにしたら、
二人三脚でやっていけたのにとも思う。
なにもかも、最初に吐いた嘘が致命的だったという事ね。


去年は日本でも、
自分の作品でないのに、
あたかも自分が書いたようなフリをして発表したという事件があったっけ(笑)。
それとこの映画とは何の関係もないけれど、
なんだかちょっと重なる部分があって面白いなぁと
思ったりもして。


評価 ★★★☆☆

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