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「好人好日」 [映画]

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〔1961年/日本〕


奈良に暮らす数学者・笠智衆は、
数学以外に事にはまるで無頓着な男。
妻の淡島千景は、そんな笠を支え、
貧乏ながら、結婚生活は30年を迎えた。


夫婦には、一人娘・岩下志麻がおり、
彼女は目下恋愛中。
恋人・川津祐介を笠に紹介しようとするが、
笠の変わり者っぷりに、
事はなかなか先に進まない。


川津の家は老舗の墨屋で、
格式ばかり気にしている。
実は岩下は、笠たちの実の子ではなく、
川津の家族は、それを理由に結婚に難色を示す。


ところが笠に、国から文化勲章を授けられる事が決まり、
周囲の人々の態度が変わり・・・。





笠智衆さんの、
上手いんだか、上手くないんだかよく分からない、
いつもの棒読みっぽい演技が大変に生きている映画。


とにかく笠さんのあまりの変人ぶりに笑ってしまう。
彼は、どんなに晴れた日でも、
ヨレヨレのスーツに、
靴は長靴!
他人が自分をどう見ていようが、
自分が良ければそれでいいようだ。


そんな笠さんは、
他人の気持ちを慮る事も苦手なようで、
娘・岩下志麻さんの恋人の川津祐介さんが
ご機嫌伺いに、テレビをくれた時も、
垣根を直す職人さんが無理して来てくれた時にも酷い事を言って、
怒らせてしまう。


ただ、変なのは笠さんだけじゃない。
一見、真っ当そうに見える、
妻の淡島千景さんも、娘の岩下さんも、
どこか何かが変(笑)。
川津さんも、
川津さんの姉の乙羽信子さんも、
お婆ちゃんの北林谷栄さんも、
とにかく全員が、何か変なのよ(笑)。


笠さんが文化勲章をもらうという設定も可笑しい。
笠さんと淡島さんは、
勲章をもらうために、東京まで出向くんだけど、
なんと泊まった先の部屋に泥棒が入って、
勲章を取られてしまう。


笠さんは泥棒が入った時、起きていて、
顔を合わせるんだけど、
ここでも変人(笑)。
だって、まるで驚く様子もなく、
「何か御用ですか?」みたいな(笑)。
淡島さんは震えてるのに。


なんだか変なんだけど、
なんだか楽しめる映画。


評価 ★★★☆☆


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