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「誘惑」 [映画]

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〔1957年/日本〕


銀座で洋品店を営む千田是也は、
店の二階を画廊にしようと考えている。


千田の娘・左幸子は、
前衛芸術に夢中で、
男女数人の仲間と、
ヘンテコリンなオブジェなどを制作している。


千田の店の店員・渡辺美佐子は、
化粧っ気のない、色気ゼロの女だったが、
左の芸術仲間で初対面の安井昌二から、
「化粧した方がいい」と言われ、
以来、人が変わったように美しくなる。


画廊の完成パーティが開かれ、
岡本太郎など、有名画家がやって来た。
左たちがチャンスとばかりに、
自分たちの作品を飾ったところ、
岡本が安井の絵を目に止め、
絶賛する・・・。





私の文章力では、
この映画の素敵さや、
スタイリッシュな感じなどが、
まったく伝わらなくて、
もどかしいけれども、
なんともおしゃれな、いい映画だった。


まずは、主役の左幸子さんが、
とにかくキュート。
父と二人暮らしで、
変な芸術に夢中になる娘の役が、
雰囲気にピッタリ。


そして最高なのが、渡辺美佐子さん。
登場した時は、
銀座の洋品店にお勤めするには、
あまりにも愛想のない女だったのが、
初対面の男の、たった一言で変わってゆく様子が素晴らしい。


ただ、その言葉は、
誰もが言っていいわけではない(笑)。
安井昌二さんだったからいいのよね。
彼の言い方には、下心が全くなく、
芸術家らしい、心からの言葉が口をついて出ただけというのが
伝わってくるから、
全くいやらしさがなくて、
それが渡辺さんを変えたんだ。


この安井さん、
いつも金が無くてボロボロの服を着ていて、
その服には常にシラミがくっついている(笑)。
でも、そんな男を愛おしく思うと、
シラミまで気にならなくなるのだから、
恋の力は凄いものだ(笑)。


一箇所だけ、
千田是也さんがした、ある行為だけ、
私には受け付けられなかったなぁ。
この場面がいい、というかたもいるようだけれど。


岡本太郎さんが、
本人役に近い感じで出ているのだけれど、
やっぱりこの人、好きだなぁと思う。
すんごくいい人っぽい。


うーん、上手く書けない。
でも本当に良い映画というのは言えます。


評価 ★★★★☆

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