SSブログ

「ある脅迫」 [映画]

arukyohaku.jpg
〔1960年/日本〕


ある地方銀行で働く金子信雄と西村晃。
2人は幼馴染であったが、
大学出で、要領がよく、出世街道まっしぐらな金子に対し、
中学を出ただけの西村は、庶務課の平社員に甘んじている。


金子が本店の支店長に栄転が決まり、
今夜、彼の送別会が開かれる。
その席でも、西村は、
金子に対し、不自然なほどに慇懃な態度を崩さない。


ところが、ヤクザまがいの男・草薙幸二郎が
金子の前に現れ、
金子が印鑑を偽造し、浮貸ししている事を知っていると
脅しにかかる。
バラされたくなければ、
「300万円を用意しろ」、と。


焦った金子は、西村が宿直の夜に、
彼を泥酔させ、
その隙に、銀行の金庫から金を盗もうとする・・・。





金子信雄さんと、西村晃さんという、
一癖も二癖もありそうなイメージの2人のコンビで魅せる、
犯罪物。
原作は多岐川恭さんだけれど、
松本清張さんの短編にもありそうな話で楽しめる。


金子さんと西村さんが
幼馴染だというのに、
出世でも、人生そのものにおいても、
すっかり差がついてしまった様子が、
切ないくらいに伝わってくる。


なにせ、西村さんは、
金子さんの栄転祝いの宴会で、
座敷に出ずに、
お燗番をしている。
なぜにそこまでへりくだる?と言いたくなるし、
実際、女中さんからもそう言われている。


ただ、話の流れからして、
このままで済むはずないよな、とは誰もが予感する事で、
案の定、事件は起こる。


先の展開が気になって、
目が離せない。
1時間ちょっとの短い映画なので、
詳しく書くと、オチまで書いてしまいそうだからここまでにするけど、
この短さが逆に丁度いい。


評価 ★★★☆☆

nice!(38)  コメント(14)  トラックバック(0) 
共通テーマ:映画