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「夜の牙」 [映画]

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〔1958年/日本〕


ガード下で診療所を開いている杉浦健吉(石原裕次郎)は、
必要があり、自分の戸籍を取りに役所へ行く。


ところが驚いた事に、
自分は死亡届けが出され、
既に死んでいる事になっていると言われる。
届けを出したのは、
空襲の混乱の最中に生き別れた弟・忠夫で、
法的に何ら問題ないとの事。


死亡診断書を書いた医師を訪ねた所、
健吉はトラックにはねられて死んだと言われ、
その遺体は損傷がひどく、
顔の判別もできなかったと聞かされる。


墓が伊豆のにあると知った健吉は、
舎弟の三太(岡田真澄)を連れてその寺を訪れ、
和尚から、埋葬時の様子を聞く。
和尚は、健吉と忠夫の叔父が莫大な遺産を残して死亡し、
その後、健吉が死亡したと聞かされた、と言う・・・。





いつの間にか自分が死んだことにされていた医者が、
真相を究明するサスペンス。


石原裕次郎さんが若い。
そして可愛い(笑)。
私が石原さんを知った時は
すでに彼はおじさんといっていい年になっていて、
どれほど「昔はカッコ良かった」と聞かされても、
今一つピンとこなかったけれど、
今になって、
彼の古い映画を観る度に、
大人たちが言っていた意味が分かる。


特にこの映画は、
デビューしてまだ2年の石原さんだから、
そりゃあ若いのも当たり前。
その分、演技はそう上手くないけれど、
それはご愛嬌。


自分の死亡届けを出したという弟を探す石原さん。
どこへ行っても、弟ソックリだと言われ、
観ているこちらも、
誰が弟役をしているのか、
それとも一人二役なのか、と、
嫌でも期待が高まるってもんだ(笑)。


女の扱いも、とっても上手い石原さん。
謎の女の役を演じる月丘夢路さんを抱き寄せるシーンなんか、
若いのに手慣れたもんだ(笑)。
私生活でもそんななのかと、
ちょっとドキドキしたわ。


ただ、解せない事がある。
彼は、自分の診療所の看護師さんと、
どうやら一線を越えた仲らしい。
なのに、そのエピソードがお話に全く絡んでこず、
月丘さんの部屋から朝帰りしたりする。


ガード下でチンピラ相手に、
ボランティアのような診療をしている先生が、
看護師に手を出しておいて知らんぷりなんて、
キャラが変じゃない?(笑)


サスペンス映画なのに、
それについては全く触れてないけど、
莫大な遺産が入って、
死んでもいない兄が死んだ事にされていて、と聞けば、
話は大体想像がつくってもんで、
私が書くまでもなかろう(笑)。
ただ、意外な展開にはなってゆくけれども。


評価 ★★★☆☆

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