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「金日成のパレード 東欧の見た“赤い王朝”」 [映画]

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〔1989年/ポーランド〕


1988年9月に行われた、
北朝鮮・建国40周年記念式典のパレードの模様や、
国民の様子を、
ポーランドの国営テレビが取材したという映画。
(実際は、北朝鮮側が提供した映像が殆どらしいが(笑))。


89年に公開された時、一部で話題なっていたけれど、
私は観る機会がないまま、ここまで来てしまった。
今回は名画座にかかったので、チャンス!という事で。
お客さんは5人ほどだった(笑)。


これは、公開された時観るのが、
本当はベストなのでしょうね。
今でも北朝鮮の事は、
容易には分からないようになってはいるけれど、
それでも、1988年の頃よりは、
少しはその実情が分かっている気がする。
公開時に観れば、もっと驚けたでしょうに、残念。


とは言え、
やっぱりすごいよ、北朝鮮(笑)。
パレードをする人々の足は、
全く乱れず、
また、スタジアムの客席で、
そこにいる全員が頭の上に掲げたボードを使って
描かれる絵(マスゲームっていうのかしら)が、
次から次へと変化する。


「どんだけ練習したんだよ」、と言いたくなるくらい、
全く乱れない、その統一された動きは一体なんなんだ?
「あ、間違っちゃった、てへ♪」なーんて事は、
許されないんだろうか(笑)。
何より一番凄いのは、
それを指導した人だと思うなぁ。
何か特別な才能があるんだろうと、
変な所で本気で感心してしまう。


何人かの方へのインタビュー映像もある。
誰もが口をそろえて、
「金日成様のおかげで、私はこんなに幸せです」みたいな事を言っていて、
観ているこちらは、
「ああそうですか」としか言いようがないような感じ。


これらの人々が心でどんな事を考えているかは分からない。
こちらは憶測でしか心の内をはかれない。
映像に出てくる人たちは、
おそらくは、それなりにいい暮らしをしている人たちだろうから、
「貧民層の人に比べたら幸せだ」と思っているかもしれないし。


佐藤慶さんがナレーターをしているのだけれど、
力強くて、映像に合っている。


それにしても、
金日成の名前を呼ぶとき、
「偉大なる首領様・金日成同志」と一々付けて言っているのが、
最初は可笑しいけど、
何度も何度も繰り返されると、
段々ウザくなってくる。
「それ、言わなくちゃいけない決まり?」と言いたくなる(笑)。
佐藤さんはどんな気持ちで、
このナレーションを読んでいたのだろうか。


金日成の名前には、
そんな素晴らしい修飾語を加えるのに、
板門店での映像に映っている、
アメリカ兵の呼び方は、
「アメリカの奴」。
「奴」て(笑)。


評価 ★★★☆☆

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