SSブログ

「MUD マッド」 [映画]

MUD.jpg
〔2012年/アメリカ〕


アーカンソー州で両親と暮らす、
14歳の少年エリス(タイ・シェリダン)と、
友人のネックボーン(ジェイコブ・ロフランド)は、
モーターボートでミシシッピ川にある小島に行ってみる。


すると、無人島だと思っていた島に、
男が暮らしていて驚く。
マッド(マシュー・マコノヒー)と名乗るその男は、
どこか怪しげだったが、
彼に惹かれたエリスたちは、
食べ物や、彼が所望する品々を運んでやるようになる。


ある日、エリスが母の運転する車で州道を走っていると、
警察が検問をしており、
手配写真を見た彼は、
それがマッドだった事に驚く。


マッドに、手配されている理由を尋ねたところ、
彼は、恋人・ジュニパー(リース・ウィザースプーン)の為に
人を殺したのだと告白する。
もうすぐ彼女と落ち合って、逃げるつもりだと。


マッドを探しているのは、
警察だけではなかった。
彼が殺した男の家族が、
躍起になって、彼の居場所を捜索しているのだ・・・。





マッドと名乗る男が殺人犯だと知りながら、
彼を匿う14歳の少年・エリスの成長物語。


エリスがなぜマッドにそこまで肩入れするのかには、
理由がある。
エリスの両親は、
現在、離婚の話し合いの真っ最中で、
彼はその事を深く気に病んでいる。


男と女の間に、永遠の愛は無いのか、
いや、そんなはずはない、と、
エリスは14歳らしい心で考える。
そんな時、マッドから恋人を思う気持ちを聞かされた彼が、
感化されてしまったとしても、それは仕方のない事だろう。


エリス自身も、今まさに恋をしている。
年上のその彼女とデートした事で、
彼はすっかり恋人気分でいる。
そんな自分と、
マッドの恋愛話を重ね合わせている部分もある。


私も、エリスの気持ちが少し分かる。
14歳の頃、大人の世界はまだ未知で、
恋に恋してるみたいな、
少女漫画みたいなロマンティックな愛を、
心から信じていたものね、当時(笑)。


全体のストーリーも面白い。
マッドが語る恋人・ジュニパーと、
現実のジュニパーとの微妙なギャップや、
マッドを探す一味の胡散臭い感じが、
軽い緊張感をもたらして、
この先どうなるの?と目が離せない。


それから、ミシシッピ川の、その大きさにも驚く。
川の中に、島があるなんて、
日本では考えられない。
そのイメージは、海と言った方が近い。


エリスの両親は、
貧しく、離婚寸前ではあるけれど、
言っている事は意外と真っ当で、
2人ともエリスを愛している事が伝わってくるので、
不快な感じはしない。
離れて暮らす事になった父親が、
最後にエリスにかけた言葉も、
男気が感じられて、グッときた。


評価 ★★★★☆

nice!(36)  コメント(2)  トラックバック(0) 
共通テーマ:映画