「トラック野郎 熱風5000キロ」 [映画]
〔1979年/日本〕
トラックで爆走中の桃次郎(菅原文太)は、
なぜかパトカーに止められ、
そのまま警察に連れて行かれる。
当て逃げをしたと責められるが、
身に覚えのない桃次郎は、
被害者・夏(小野みゆき)と対面する。
夏は野性味あふれた女で、
桃次郎は殴りつけられるが、
結局、それは代走屋の仕業と分かる。
一方、ヤモメのジョナサンこと松下金造(愛川欽也)は、
9人もいる子供の為に、
もっと働けと妻・君江(春川ますみ)から責められ、
実入りのいい、木材の運搬を始めるが、
怪我をしてしまう。
ジョナサンの代わりに木材を運んだ桃次郎は、
木材の運送会社の娘が夏である事を知る・・・。
昨日、飛び込んできた、
菅原文太さんの突然の訃報。
高倉健さんに続いて、
なぜこんなにも悲しいニュースが続くのか、
驚きと、ショックな気持ちでいっぱい。
偶然とはいえ、
こんな短期間に、
日本の任侠映画におけるツートップが亡くなった事に、
なにかの因縁を感じずにはいられない。
高倉さんと菅原さんは共演作も多く、
そのタイトルを眺めていると、
もっと観ておけば良かったと、
そればかり思ってしまう。
菅原さんの出演された映画で、
私が観ているのは、ざっと数えて17本。
その中で一番好きなのは、
菅原さんが石原さとみさんの祖父を演じた、
「わたしのグランパ」。
学校でいじめを受ける石原さんの目の前に、
突然現れた、
ムショから出所したばかりの菅原さん。
以来、彼女のいじめを解決したり、
様々な日常が描かれるんだけど、
その様子が、
もう本当に、めちゃくちゃカッコいい、
お薦めの1本。
もう一つ、印象に残っているのは、
「太陽を盗んだ男」の刑事役。
沢田研二さんと対峙する菅原さんが
素晴らしかった。
「仁義なき戦い」シリーズは、
任侠の世界のしきたりみたいなものに、
ちょっと面倒くささを感じて、
1作目しか観ていない。
もう一つの、シリーズものの代表作、
「トラック野郎」は、
10作中、8作まで観ていて、
あと2作だなぁと思っていた所だった。
9作目に当たる本作の、
マドンナは小野みゆきさん。
歴代のマドンナは、
女らしいたおやかな女優さんが多かったように記憶しているけれど、
小野さんは、性格のキツイ、
男っぽいマドンナで、
なかなかカッコいい。
菅原さんとドブロクの飲み比べをするシーンなんか、
こちらが止めたくなるくらい、
すんごい飲みっぷりの演技で魅せていた。
酒の一気飲みが問題視される今は、
こんなシーンはもう撮れないだろうなぁと思う。
トラック野郎の菅原さんは、
シリーズを通して、
ちょっと下品で、エロっぽくて、
でも、何かあったら、
すんごいパワーを発揮する、
頼りになるヒーローだった。
本当に惜しい方が亡くなられたと思います。
評価 ★★★☆☆